2015 Fiscal Year Annual Research Report
カンジダ抑制作用を有するTea tree oilの義歯用歯磨剤への応用と開発
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25463009
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山下 利佳 長崎大学, 病院(歯学系), 助教 (50336179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒木 唯文 長崎大学, 病院(歯学系), 助教 (70404225)
江越 貴文 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (70706150)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 精油 / Candida albicans / ティートゥリーオイル / レモングラス / 磨耗試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず,植物精油によるカンジダ・バイオフィルムの除去効果について調べた。義歯床用レジンの試料片(直径6mm 厚さ1.5mm)にカンジダ・バイオフィルムを形成後,蒸留水(コントロール),ティートゥリーオイル(0.5%,1.0%),レモングラス東インド型(0.125%,0.25%,0.5%,1.0%)の計7種の溶液に,それぞれ1分,3分,5分間浸漬し,その後Alamar blueを用いてカンジダの除去効果を測定した。その結果,ティートゥリーオイル溶液,レモングラス溶液ともに,濃度が高く,浸漬時間が長いほどAlamar blue値は低かった。特に,1.0%ティートゥリーオイル溶液に3分間,5分間浸漬した群,および0.5%または1.0%のレモングラス溶液に5分間浸漬した群では,コントロールに比べ, Alamar blue値は有為に低く,除去効果が高いことが示唆された。 次に,植物精油が義歯床用レジンに及ぼす影響について調べた。被験面を鏡面に仕上げた義歯床用レジンの試料片(25mm×15mm×2mm)に,蒸留水(コントロール),1.0%ティートゥリーオイル溶液,0.5%および1.0%レモングラス溶液と義歯用ブラシを用いて,荷重200g,動作幅20mm,摩耗回数10,000ストロークの摩耗試験を行い,試験前後の表面粗さを比較した。その結果,いずれも磨耗試験により表面粗さが大きくなる傾向を示したが,コントロールの蒸留水より精油を用いた方が表面粗さは小さく,特に,ティートゥリーオイル溶液では磨耗試験の前後で有意差は認められなかった。よって,植物精油による義歯床用レジンの劣化の可能性は低く,精油はブラシによる磨耗に対し保護作用があることが示唆された。
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Research Products
(3 results)