2014 Fiscal Year Research-status Report
CADCAMによるオールセラミッククラウンのカラーマネージメントシステムの構築
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25463015
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
大平 千之 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (00364381)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | CAD/CAM / デジタルデンティストリー / 審美 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔インプラントの上部構造としてCAD/CAMによるオールセラミッククラウンが広く応用されている.セラミックブロックをクラウン形態に切削・加工するシステムでは,技工操作に関する時間を短縮できる一方,歯冠色がセラミックブロックの色調に依存する.そのため,セラミックブロックが天然歯に近似した色調を有することと適切な色調選択がオールセラミッククラウンの再現精度に大きく影響するものと考えられる.そこで,CAD/CAMによるオールセラミッククラウンと天然歯の色調分布について比較検討するとともに切縁から歯頚部までの歯冠色グラデーションについて分析した. CAD/CAM用セラミックとしてIPS Empress CAD LT(Ivoclar Vivadent)16色,IPS e.max CAD LT(Ivoclar Vivadent)13色,IPS Empress Multi(Ivoclar Vivadent)5色,LavaPlus (3M ESPE) 9色を用い,上顎左側中切歯のオールセラミッククラウン43本を設計・製作した.製作したオールセラミッククラウンは,歯科用測色装置Crystaleye Spectrophotometer (オリンパス)を用い色彩学的数値を算出した.天然歯の色彩学的数値は,齲蝕および充填物の認められない400本の上顎左側中切歯の画像データからCrystaleye Application Masterを用い算出した.得られた色彩学的数値からCAD/CAMによるオールセラミッククラウンと天然歯の色調分布について比較検討した.さらに,歯冠中央部を基準とし,切縁部から歯頚部までの4部位との色差ΔEを算出し,天然歯とオールセラミッククラウンの歯冠色グラデーションについて比較検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
歯冠中央部に対して△E3.0以下を示すオールセラミッククラウンを有する天然歯は62%であった.天然歯の中央部を基準としたΔEは切縁,歯頚部方向に行くに従い増加し,歯冠色グラデーションを有するブロックにおいて同様の傾向が認められた. Ⅳ考察および結論: CAD/CAMにより製作されたオールセラミッククラウン中央部の色調は,天然歯の色調を幅広い範囲で網羅していた.また,部位により色調が大きく変化する天然歯に対しては歯冠色グラデーションを再現した層構造のセラミックブロックが有効であると推察された.
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Strategy for Future Research Activity |
カラーマネージメントシステムの臨床評価 CAD/CAMによるオールセラミッククラウンのカラーマネージメントシステムの臨床評価を行う。本実験の趣旨を十分に説明し,同意の得られた上顎前歯部にシングルクラウンを必要とする10名を対象に、カラーマネージメントシステムを用いたCAD/CAMによるオールセラミッククラウンを作製・装着する.目標色に対する色彩学的分析を行うとともに,被験者に対してクラウン装着に対する満足度をvisual analogue scale(VAS)による主観的評価と自由回答式アンケートへの記載をしてもらう.得られた結果を総合的に分析し,臨床評価を行う. 研究成果の発表 研究結果のまとめを行い、日本補綴歯科学会, 日本歯科CAD/CAM学会,IADR等の国内外の学会での成果発表および学術誌への論文投稿を行う.
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Causes of Carryover |
基礎的検討を行うことで天然歯の色調の傾向が明らかとなり,より臨床的に天然歯の色調に調和したセラミックブロック(特にジルコニア)の選択を考え,基本的な色調解析に関して必要なセラミック試料を次年度の臨床評価に際して導入することとしたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ジルコニアを中心とした高強度のセラミックを導入する予定
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