2013 Fiscal Year Research-status Report
4NQO誘発ラット舌癌モデルにおけるmicro RNAの解析
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25463075
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
米本 和弘 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (80422731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 敏之 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50226172)
牧田 浩樹 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50345790)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | miRNA / 4NQO誘発舌癌ラットモデル |
Research Abstract |
Epigeneticとは「DNAの配列の変化なしに遺伝子発現が変化する事」と定義され、DNAメチル化(genome-wideな低メチル化および遺伝子プロモーター領域の高メチル化)、ヒストン修飾などによる可逆的な遺伝子制御機構のことである。近年、新しいepigeneticな現象として、固形癌においてmicroRNA(miRNA)の異常発現が報告され、これらが癌の発生や進展に大きく関与していることが明らかになってきた。しかし、口腔発癌においても同様にmiRNAの関与が示唆されているが、その詳細の機構については依然不明のままである。そこで本研究では、口腔癌動物モデルとして頻用されている4-ニトロキノリン1-オキサイド(4NQO)誘発ラット舌発癌モデルにおけるmiRNAの異常発現とその機構について解析し、口腔発癌モデルとしての有用性を検証することを目的とした。 本研究では、4-ニトロキノリン1-オキサイド(4NQO)誘発ラット舌発癌モデルにおいて、4NQO投与早期(病変発症前)から、前癌病変(軽度異型粘膜~高度異型粘膜、乳頭腫)、癌(早期癌、浸潤癌)までの検体を用いmiRNAの発現量を組織型別に定量し、4NQO発癌モデルにおいて病変の進行過程におけるmiRNA異常発現の推移について明らかにする。更に、組織型別に採取した血清中のmiRNAの解析も行い、舌組織中のmiRNA発現量との相関性についても解析する。ターゲットは口腔扁平上皮癌において発現異常が報告されているmiRNAを対象とし、real-time PCR法を用いて解析を行う。 本研究により4NQO誘発ラット舌癌モデルの発癌過程におけるmiRNAの関与を解析し、口腔発癌におけるepigeneticな変化について明らかにすることが可能と考えられる。また、その結果は、今後発展すると思われるepigeneticな異常の修復(遺伝子の再活性化など)を動物モデルで確認することを可能にし、口腔癌治療に有効な口腔発癌抑制物質の新たな開発につながるものと考えられ、意義は高いと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、4NQO誘発舌癌ラットモデルの作成し、犠牲死した後に採取した舌組織を2分割し、一方は病理組織検索用にホルマリン固定し、もう一方は-80℃での凍結保存した。ホルマリン固定した組織はパラフィン包埋し、病理組織学的検索用に連続切片の作製を行った。現在は凍結保存した舌組織および血清からのRNAの抽出を行っている最中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は舌組織から作成した連続切片の病理組織学的な分類(正常粘膜、過形成粘膜、異形成粘膜、乳頭腫、早期癌、浸潤癌)を行うと伴に、現在進行中である凍結保存した舌組織および血清からに抽出したRNAを用い、口腔扁平上皮癌において発現異常が報告されている以下19種のmiRNAを対象として、real-time PCR法にてmiRNAの発現量を定量する予定である。 (過剰発現):miR-489, miR-129, miR-23a, miR-214, miR-23b, miR-92, miR-25, miR-210, miR-212, miR-515, miR-146, miR-21, miR-338 (発現抑制):miR-520h, miR-197, miR-378, miR-135b, miR-224, miR-34a
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入予定の物品が予定価格より安い価格で購入できたため。 余剰金は次年度で使用する予定。
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