2015 Fiscal Year Research-status Report
哺乳運動の中枢神経回路網形成と筋感覚情報入力について
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25463083
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石濱 孝二 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 招へい教員 (30432454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山西 整 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 招へい教員 (20397780)
原田 丈司 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 招へい教員 (00403030)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | PSD-95 / 哺乳 / 神経回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
摂食行動は、顎、舌、顔面筋のリズミカルな協調運動であり、咀嚼運動は半自動運動に分類される。哺乳類における摂食行動には吸啜運動と咀嚼運動があり、摂食行動時のリズミカルな顎運動は脳幹に存在するCentral Pattern Generator(以下CPG)において構成、制御されている。これまでの研究でそのCPGは三叉神経運動核近傍に存在し、NMDA受容体が重要な役割を果たしていることが知られている。 PSD-95は、興奮性シナプス後肥厚部における主な足場タンパクであり、シナプスにおける情報伝達の頻度に応じてNMDA受容体と結合し、情報伝達の効率化に働くことで興奮性シナプスにおけるシナプス可塑性への関与が示唆されている。PSD-95の存在は興奮性シナプスの存在を示しておりリズミカルな顎運動に重要であるNMDA受容体が効率的に機能していることも考えられる。発育中のラット脳幹、特に三叉神経運動核周囲の領域において、PSD-95の経日的分布を免疫組織学的に検討した。 三叉神経運動核における開口筋支配領域と閉口筋支配領域に分類し検討した結果、開口筋領域においてPSD-95陽性率は生後5日目(P5)では8%、P9で15%、P23で78%であった。また、閉口筋領域ではP5で3%、P9で15%、P23で90%であった。いずれもP5からPSD-95陽性ニューロンは認められ、経日的に増加したが、P9以前では開口筋に、P9以降は閉口筋に増加傾向を認めた。三叉神経傍領域はP1から強陽性反応を示しており、CPGの局在について可能性があることが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
査読者の意見から免疫染色の結果について陽性率の算出と開口筋・閉口筋支配領域別の検討等再実験を行い、電気生理学的研究まで達成できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
発育途中のラット咬筋に対して逆行性神経遮断薬の投与を行い、生後発達について解剖学的、行動学的、生理学的に検討する。
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Causes of Carryover |
研究実績を論文投稿したが査読者の助言により追加実験を行っているため、研究期間の延長と学会発表を延期したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
追加実験の結果をまとめるとともに、研究の成果を発表する予定である(米国ニューロサイエンス演題登録済み)。
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Research Products
(1 results)