2013 Fiscal Year Annual Research Report
骨形成誘導と骨破壊性腫瘍の進展抑制を併せ持つ新たな分子標的薬の開発
Project/Area Number |
25463087
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
日浅 雅博 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (90511337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 栄二 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40273693)
中村 信元 徳島大学, 病院, 特任助教 (10511321)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 多発性骨髄腫 / 骨形成 / 骨芽細胞 / 間質細胞 |
Research Abstract |
多発性骨髄腫等の骨破壊を伴う悪性腫瘍では、骨の痛みや骨折により患者QOLが大きく低下する。腫瘍進展と骨破壊性病変形成の間には、お互いを促進する悪循環が形成されているが、この分子機序は未だ不明な部分が多い。我々はこれまでに骨髄腫細胞共存下では骨髄間質細胞/骨芽細胞にもPim-2が発現誘導されることを発見した。しかし、Pim-2の発現調節機序や骨髄微小環境との相互の作用、骨代謝での役割などについての検討はまだ少ない。そこで本研究では、治療標的としてのPim-2の有用性を評価することを目的とした。以下に結果の概要を示す。 1. Pim-2は抗アポトーシスシグナルの重要な媒介因子として骨髄腫細胞に高発現しているが骨髄微小環境に豊富に存在する骨髄間質細胞や破骨細胞によりその発現がさらに亢進することがわかった。またPim阻害薬SMI-16aにより骨髄腫細胞に著明な細胞死が誘導され、Pim-2を治療標的とすることの有用性と必要性を我々は見出した。 2. さらに、骨髄腫細胞との相互作用により骨髄間質細胞にもPim-2が発現誘導されること、またPim-2の発現を抑制すると骨髄腫細胞の共存下でも骨髄間質細胞からの骨芽細胞分化が回復することを見出し、Pim-2が骨髄腫の骨形成抑制因子として作用していることを明らかにした。 3. In vivoに対する効果を検討するため、マウスの脛骨内にマウス骨髄腫細胞株を移植した骨髄腫動物モデルにPim阻害薬SMI-16aを腹腔内投与した。コントロール群では脛骨内外に腫瘍が進展し骨が破壊されていたが、SMI-16aによる治療群では著明な抗腫瘍効果とともに脛骨の骨破壊が抑制された。
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