2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25463135
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
前田 茂 岡山大学, 大学病院, 准教授 (50253000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 仁 岡山大学, 大学病院, 講師 (30423320)
友安 弓子 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40594809) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | レミフェンタニル / 炎症 / 中枢神経系 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はレミフェンタニルの抗炎症作用を調べたものであるが,後半は特に中枢神経系における抗炎症作用について研究した。前年度までに,ICRマウスに対してLPSを腹腔内に投与することにより,全身的な急性炎症モデルを作ることができるが,これに対して,レミフェンタニルを浸透圧ポンプを利用して持続的に投与したところ,血液中のinterleukin-6の上昇を有意に抑制することを確認した。また,マウスの脳から視床下部,大脳皮質,海馬を取り出し,肝臓の一部とともにリアルタイムPCRによってIL-6 mRNAの定量を行ったところ,LPSに対するIL-6 mRNAの反応がレミフェンタニルにより有意に抑制された。 1)27年度に,ラットグリオーマ由来のC6を用いて,同様にLPSに対するIL-6 mRNAの反応を調べたところ,同じようにLPSによるIL-6 mRNAの反応をレミフェンタニルが抑制した。 2)次にレミフェンタニルの抗炎症作用におけるcAMPの関連を調べた。cAMPをLPSとともにC6に作用させると,IL-6 mRNAの反応を増強し,またcAMPはLPSにより増加する一方で,その増加はレミフェンタニルによって抑制された。 以上の結果から,レミフェンタニルは全身的な急性炎症に対して抗炎症作用を有し,それは血液中の免疫担当細胞だけでなく,中枢神経系の細胞に対しても抗炎症作用を示す可能性が示唆された。さらにグリア細胞に対しては直接的な抗炎症作用を示し,その機序としてcAMPを抑制することにより炎症性サイトカインのIL-6の反応を抑制することが示唆された。
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