2013 Fiscal Year Research-status Report
不死化顎関節円板クローン細胞による顎関節のバイオエンジニアリング技術の基盤的開発
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25463170
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
細道 純 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (00420258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米満 郁男 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00431940)
清水 康広 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (60631968)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 顎関節低成長 / 小児性睡眠時無呼吸症候群 / 間欠的低酸素暴露 / HIFs / オートファジー |
Research Abstract |
顎関節を構成する骨および軟骨細胞は、増殖および分化の過程において、低酸素状態への感受性が高く、関節疾患の発症時や増悪時における、臓器内での酸素環境の変化が報告されている。小児期の睡眠時無呼吸症候群の発症が報告されており、臨床研究から小児性睡眠時無呼吸症候群の患者は小下顎症を呈することが明らかとなり、顎関節の軟骨および骨の低成長がその病態の一つであると考えられている。 初年度において、顎関節低成長の病態解明を目的として、動物モデルの確立を図り、成長期における夜間の間欠的低酸素曝露と顎関節の低成長の解明を行った。小児性睡眠時無呼吸症候群を想定した成長期ラットを用いた間欠的低酸素モデルの解析から、①鼻腔気道を囲む上中顔面部の低成長、②咽頭気道を囲む下顎骨の低成長について骨形態計測により明らかとなり、マイクロCTを用いた顎関節の骨微細構造の解析から、疾患モデルにおける関節軟骨下の骨密度の変調が認められた。顎顔面の軟骨性成長と顔面および頸部の骨格筋が関連することから、骨格筋が間欠的低酸素曝露から受ける影響について検証するため、上部気道筋であるオトガイ舌骨筋における低酸素反応についても検証するとともに、全身の骨格筋との影響の比較も行った。実験に先立ち、低酸素誘導因子HIF-1を介したオートファジー関連因子の誘導と骨格筋成長遅延を仮説とした。結果、HIF-1αの上昇とHIF-2αの低下とともに、オートファジー因子BNIP3の誘導が生じ、また、筋細胞分化因子のmyogenineとMyoDの発現低下、筋細胞のミトコンドリア代謝因子であるPGC-1αと呼吸因子のComplex IVがともに低下し、間欠的低酸素曝露下における筋細胞機能の低下の可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験モデルを確立し、X線解析、組織学的解析および生化学解析を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
小児性睡眠時無呼吸症候群における顎関節低成長に着目した動物モデルの解析とともに、培養実験モデルによる間欠的低酸素暴露と軟骨、骨、および筋細胞の増殖、分化との因果関係について生化学的に実証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
所属研究機関内動物実験センターの工事等により実施できなかった実験計画が生じたから。 所属研究機関内動物実験センターの工事終了後、昨年度に実施できなかった実験計画の実施に使用する。
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