2013 Fiscal Year Research-status Report
顎関節へのLIPUS照射がもたらす新たな軟骨再生メカニズムの解明
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25463171
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
米満 郁男 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00431940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細道 純 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (00420258)
武居 真希 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (50547445)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | LIPUS / 軟骨再生 / 下顎頭 |
Research Abstract |
関節軟骨の損傷およびその修復に関する研究は、整形外科をはじめとする医科においてこれまで数々報告されてきているが、未知の領域は多く、発展途上の分野と言える。軟骨は、1) 血流が無い、2) 密度の高い細胞間器質で囲まれている、3) 高度に分化した細胞でほとんど分裂・増殖しない、等の理由から自己修復能力が乏しく、再生が困難な組織とされている。 顎顔面領域においても、顎関節に非生理的な外力が一時的あるいは継続的に加わった場合、下顎頭の吸収と、それに伴う下顎骨の非対称、さらには咬合不全を引き起こすことがしばしば見受けられる。下顎頭の変形に伴って生じる下顎骨の偏位に関する研究はいくつか存在するが、非生理的な負荷を可及的速やかに除去することが、関節頭変形の回復をもたらすとされる。しかし、原因を除去しても、関節軟骨やその直下の軟骨下骨の形態を完全に回復することは望めず、骨軟骨形成促進のための何らかの非侵襲的な治療法の開発が期待されよう。 近年、骨・軟骨の修復に対する超短波治療(low intensity pulsed ultrasound stimulation: LIPUS)が注目され始めているが、骨に関する報告がほとんどであり軟骨に関する報告は少ない。また、顎関節領域における報告は未だ存在しない。そこで今回我々は下顎頭軟骨損傷モデルを作成し、そこに超短波刺激をある条件化で一定期間照射することで生じる治癒過程について検討することとした。本年度は、麻酔下にて成熟ラットの下顎頭軟骨の部分切除を行い、実験群と対照群にそれぞれLIPUS照射を行った。まずは、軟骨下骨の変化を探るべくmicro-CTを撮影し、比較検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本学における動物実験施設の改良工事が昨夏より1年間続いており、ラットの飼育および試料作成が出来なかったため。(現在も継続中)
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Strategy for Future Research Activity |
上記施設の使用再開後、実験を再開する。 昨年度行った軟骨損傷の手技を確立した後、組織切片を作製、各種染色へと移行する。 具体的には、Toluidine blue染色にて下顎頭軟骨細胞層の形態変化を観察し、軟骨再生の評価を行う。また、抗VEGF抗体, 抗SOX9抗体, 抗TGF-1b抗体の免疫組織化学染色を行い、軟骨修復の観察を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年7月から2014年6月まで本学動物飼育施設は改修工事を行っており、動物実験が継続不可能となり、改修工事終了後の実験再開を余儀なくされたため。 新たにラットを購入し、昨年度予定していたラット下顎頭軟骨損傷モデルの手技確立に始まり、LIPUS照射条件の確立後、顎関節組織切片の各種染色へと移行する。染色関連に必要な各種試薬、各種抗体の購入が必要である。
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