2014 Fiscal Year Research-status Report
加齢に伴う矯正的歯の移動における歯根膜組織の細胞活性能
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25463206
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
影山 徹 松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (80319102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 一尋 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (40182521)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歯学 / 組織 / 歯の移動 / 加齢 / 血管 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,実験的歯の移動を行った際,加齢に伴う歯根膜組織の改造活性能と矯正的歯の移動量との関係について解析することである.平成26年度の計画は,実験第二段階として実験的歯の移動を行った際の歯根膜単位面積あたりの血管内皮細胞数の解析だった. 実験には10~80週齢のWistar系雄性ラット(体重約250~570g)を用いた。同一規格で牽引が可能なcoilspringによる歯の移動装置を用い、上顎右側第一臼歯を近心方向に2週間牽引した.各群の実験終了後,歯根周囲の変化を全体的に把握するために,脱灰標本より通法に従い厚さ約3~5μmの水平断連続切片を作製し,H-E染色の一般組織染色により各週齢による歯根膜面積を計測した.歯根膜内の分裂細胞活性はCD34,およびProliferating cell nuclear antigen(PCNA)活性免疫染色を行い,各週齢による陽性細胞数をそれぞれ定量化した.また同部位にTetrate-resistant acid phosphatase(TRAP)活性染色を行い,各週齢による破骨細胞数を歯根周囲組織改造活性の指標とした. 実験開始2週間後,1)歯の移動量は加齢と共に有意に減少した。2)歯根膜内における細胞の分裂能による検索ではCD34陽性細胞数は実験群では対照群と比較し多く観察されたが、加齢に伴い減少する傾向が認められた.また,3)骨吸収に関する検索では破骨細胞数は実験群では対照群と比較し多く観察されたが、加齢に伴い有意に減少した. 以上の結果より,加齢による歯根膜内における血管形成能の減少は歯根周囲組織の改造活性に影響を与える可能性が示唆された.平成27年度以降は矯正的歯の移動下での歯根膜単位面積あたりの血管の分布状況および,歯根膜内の分裂細胞数の解析を更に行い,歯の移動群と対照群の比較についても追加実験を重ねていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の計画は,実験第二段階として実験的歯の移動を行った際の歯根膜単位面積あたりの分裂細胞数の解析だった. 歯の移動実験終了後,1)歯の移動量は加齢と共に有意に減少した。2)歯根膜内における細胞の分裂能による検索ではCD34陽性細胞数は実験群では対照群と比較し多く観察されたが,加齢に伴い減少する傾向が認められた.また,3)骨吸収に関する検索においても破骨細胞数は実験群では対照群と比較し多く観察されたが、加齢に伴い有意に減少するという結果を得た. 本研究より得られた結果は、平成26年に行われたヨーロッパ矯正歯科学会へ成果発表を行い,優秀ポスター賞を獲得した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の研究実施計画は生理的状況下および矯正的歯の移動下での歯根膜単位面積あたりの血管の分布状況,歯根膜内の分裂細胞数の解析を行う. 平成26年度に実験を行ったプロトコールに従い歯の移動実験を行い,歯根膜内の血管分布変化の解析は,実験終了時に組織観察用標本については還流固定を行う.一部の資料については,還流固定と同様な手技により高流動性樹脂(MercoxⅡ)を血管内に注入し,血管鋳型標本を作製する.歯根周囲の変化を全体的に把握するために,通法に従い厚さ約3~5μmの水平断連続切片を作製し,一般組織染色により各週齢による歯根膜腔の面積を測定し,歯根膜単位面積あたりの血管分布変化を観測根の歯根膜近心側と遠心側にわけ,形態計測法を用いて計測する.血管鋳型標本については,5%NaOClにより樹脂周囲の軟組織を溶解させることにより樹脂面を露出させ,金蒸着後SEMにて血管鋳型の分布変化を観測根の歯根膜近心側と遠心側にわけ観察を行う.
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Causes of Carryover |
実験器材・実験材料発注の中に定価より安く納入できた材料があったため、当該助成金が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度の消耗品として発注を行う。
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Research Products
(1 results)