2016 Fiscal Year Research-status Report
神経難病療養者の自助力を強化した避難行程モデルの作成
Project/Area Number |
25463389
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
平原 直子 佐賀大学, 医学部, 助教 (80382399)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 災害看護 / 在宅ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
ステップ1〈災害時に神経難病療養者が避難する際の課題の抽出〉今年度は、昨年度に引き続きインタビューの結果の分析を実施した。避難までの意思決定のプロセスにおいては、対象の持つ疾患や障害の種類のみならず地震、台風・豪雨災害など災害の種類による大きな違いがみられた。〈避難行動を促進する要因〉、〈避難行動を妨げる要因〉は、対象者の障がいの種類や常時の介護・支援の内容によって異なることが新たに確認できた。また、避難先の選択においては、これまでの入院経験や避難場所への馴染み、対象者の生活する地域特性なども大きく影響していることが分かった。 ステップ2〈神経難病療養者の自助力を強化した避難行程モデルの作成・検証〉市・町など自治体や各訪問看護ステーションが作成した障がいを持つ人を対象とした避難マニュアルおよび避難支援者用マニュアルを活用することを検討した。しかし、障がいや必要なサポートの種類による違い、同居家族や常時の地域社会との交流状況など個別性が大きいことから、支援者側の避難行程モデルの一般化には課題が残る。本研究の調査結果および東日本大震災ほか台風・水害における高度障がい者・高齢者などの災害時要援護者の避難経験や避難しなかった経験を調査した研究結果をもとに要援護者の自助力を強化するために常時から備えておく必要のある情報収集能力・分析判断力、活用できる社会資源などを検討している。 ステップ3〈自助サポートマニュアル案・支援システム案の妥当性の検討〉に関しては、ステップ1・2の研究の遅れにより、実施できなかったため、29年度に実施予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度計画の研究対象者の該当者が少なかったことや精神・身体的状況により研究を中断した対象者がおり、追加のデータ収集が必要であったため、ステップ1・ステップ2の遅れがあった。
|
Strategy for Future Research Activity |
ステップ2〈神経難病療養者の自助力を強化した避難行程モデルの作成・検証〉については、実施中である。神経難病療養者・家族の自助能力の強化に関しては、要援護者の自助力として備えておく必要がある知識・技能をより具体的にするために災害対策の専門家や被災経験者の意見聴取を行なう。作成したモデル案をもとに所属する難病ケア研究会のメンバーとの意見交換により避難支援者側の支援方法について検討を重ねる。 ステップ3〈自助サポートマニュアル案・支援システム案の妥当性の検討〉に関しては、今年度中に国内・国外の学会等でステップ1・2の成果発表を行ない、モデルの精緻化を図る。
|
Causes of Carryover |
初年度計画の研究対象者の該当者が少なかったことや精神・身体的状況により研究を中断した対象者がいたため、追加のデータ収集が必要であったため、ステップ1・ステップ2の遅れがあった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
ステップ2〈神経難病療養者の自助力を強化した避難行程モデルの作成・検証〉について所属する難病ケア研究会のメンバーとの意見交換により避難支援者側の支援方法について検討を重ねる。また、神経難病療養者・家族の自助能力の強化に関して、自助力として備える必要がある知識・技能を災害対策の専門家や被災経験者などを含むワーキンググループにて明らかにする。ステップ3〈自助サポートマニュアル案・支援システム案の妥当性の検討〉、今年度中に国内・国外の学会等でステップ1・2の成果発表を行ない、モデルの精緻化を図るため。 以上の計画において、研究補助の謝金および学会参加のための旅費、会議費の使用を予定している。
|