2013 Fiscal Year Research-status Report
不妊治療を終結した子どもを持たない女性の健康感・幸福感を促進する看護支援の検討
Project/Area Number |
25463467
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
丸尾 亜喜代 (三尾 亜喜代) 岐阜大学, 医学部, 助教 (30632848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 万喜子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (50170163)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 不妊症 / 治療終結 / 幸福感 / 意思決定 / ガイドブック |
Research Abstract |
本研究の最終目的は、不妊治療を終結した子どもを持たない女性の幸福感向上に向けた終結期の支援プログラムを作成することである。平成25年度は、研究計画に示した通り、不妊治療終結期の女性と支援に携わる看護職を対象とした国内外の先行研究の詳細な文献レビューを行った。その結果、不妊治療中の女性とその夫の心理に関する研究は種々なされているが、終結期に関してはいずれも少数を対象とする質的記述的研究であり、その実像に迫るには綿密なメタ分析・メタ統合の必要性が確認された。また、治療終結後の女性が幸福な人生を送るためには、終結に迷う時期の支援が重要であることを再確認するとともに、支援の具体策としては、終結後の人生モデルの提示のみでなく、その他の情報提供の必要性が示唆された。そこで、本研究では、これらに対応しうる「(患者用)ガイドブック」「(看護職用)ガイドブック活用マニュアル」の作成を中核におくことを決定した。また、終結の意思決定に関する先行研究では質的帰納的分析により要素や概念は抽出されているが、それらの関連性やプロセスは明らかにされておらず、本研究で着手する「人生モデル図」の重要性が再確認された。そして、対象者への面接調査前には、この人生モデル図の作成方法(分析方法)の確定が重要であるため、今年度は年度計画を変更して先に研究手法についても検討した。その結果、人生モデル図の作成にはTEM(Trajectory Equifinality Model)の手法を用いることとし、研究代表者が学習会に参加して分析スキルの向上に努めた。また、本研究の中心概念である幸福感の概念分析を行い、調査項目としてWHOのSUBI(The Subjective Well-being Inventory)の幸福感尺度を使用することとした。以上を先に行ったことにより、今年度は調査を実施していないが、これらを土台として、来年度は研究Aと研究Bの両方を実施していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の順序は入れ替えたが、研究の土台となる概念分析などを丁寧に行い成果を得た。これらにより、研究の見通しがより明確になった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度より、対象者(当事者および看護職者)への面接調査、グループインタビューを行う。不妊治療終結期にある当事者への面接は、心理面等への負担も考え、専門家のスーバービジョンを受けながら実施する必要がある。また、当事者の特性から、当事者の確保にも時間を要する。そして、1事例ごとの丁寧な分析を行うことが重要であり、これに関しても時間を要する。そのため、面接後の逐語録の作成をアルバイトなどに依頼してデータの収集・分析の時間を確保する。なお、この方法では情報漏洩しないように契約して行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究実績の概要に記載した通り、本年度は、面接調査の前に分析手法について検討し、分析スキルの向上に努めた。そのため、面接調査は次年度行うこととしたため、面接の謝金・旅費等で使用する予定額を本年度は使用しなかった。 繰り越した金額は、次年度、面接調査の謝金,交通費で使用する予定である。
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