2014 Fiscal Year Research-status Report
精神疾患が疑われる高校生に対処する養護教諭への支援‐早期介入と医療との連携‐
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25463565
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Research Institution | Nagano College of Nursing |
Principal Investigator |
有賀 美恵子 長野県看護大学, 看護学部, 助教 (80586975)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 精神疾患 / 高校生 / 養護教諭 / 健康相談 / 連携支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、精神疾患が疑われる高校生への早期介入に向けて、養護教諭の判断や介入、および医療との連携支援の現状を明らかにし、より効果的な支援のあり方を検討することを目的としている。 研究2年目にあたる平成26年度は、中部地方(新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県)の公立高等学校651校に勤務する養護教諭を対象に、自記式質問紙調査を実施した。調査は、調査票に研究の目的と方法、倫理的配慮を説明した文書を添え、郵送法にて行った。調査内容は、①研究対象者の基本情報(性別、年齢、養護教諭の経験年数、健康相談の内容に関する記録方法、1日の執務の中で健康相談に費やす時間の割合等)、②研究対象者が勤務する学校の基本情報(学校の種類、学校規模、養護教諭複数配置の有無、養護教諭が健康相談を行うための相談室の有無、相談係等の有無および人数等)、③精神疾患が疑われる高校生への養護教諭の対応と連携支援について(過去1年間に行った生徒への支援の有無および件数、連携者、連携支援における課題について等)とし、連携支援における課題については自由記述とした。 その結果、回収数は135(20.7%)であり、回答に著しい欠損のあった1名を除く134名(20.6%)を分析の対象とした。研究対象者は50代の者が最も多く、経験年数の平均値は20.4年であった。健康相談を行うための部屋がある養護教諭は半数を超えており、校務分掌に相談係等を担当する教職員が位置づけられている学校は78.4%、保健室以外に生徒が利用できる相談室等がある学校は84.3%であった。現在は、連携支援における課題についての質的データの分析作業を進めるとともに、平成27年度のインタビュー調査の準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は、精神疾患が疑われる高校生への養護教諭の対応と連携支援について、現状と課題を明らかにすることを研究の目的とし、中部地方の養護教諭を対象に自記式質問紙調査を実施し分析することを計画していた。 この計画にしたがい、平成26年8月から12月に、中部地方(新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県)の公立高等学校651校に勤務する養護教諭を対象に自記式質問紙調査を実施した。現在は、量的データの分析を終了し、質的データの分析作業を進めるとともに、学会誌への投稿のための作業を行っている。 以上より、本研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、平成26年度の調査結果や先行研究の結果をふまえ、精神疾患が疑われる高校生への養護教諭の対応と連携支援についての経験に関して、養護教諭を対象にインタビュー調査を実施し分析することを計画している。また、その成果は学会発表をして内容を検討するとともに、発表をふまえて学会誌に投稿する。なお、平成26年度の調査結果についても、その成果を学会発表し、学会誌に投稿する。 平成28年度は、研究成果を研究協力の得られた養護教諭が勤務する高校で発表し、教諭や養護教諭への啓蒙活動を行う予定である。
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Causes of Carryover |
効率的な使用により、残額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、中部地方の公立高等学校に勤務する養護教諭15名から20名を対象としたインタビュー調査を計画している。調査のための旅費、データ整理および分析のための人件費・謝金として使用する予定である。
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