2015 Fiscal Year Research-status Report
住民の生存権を護る保健師活動に関する研究-教育教材の開発と検証-
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25463644
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岩本 里織 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 教授 (20321276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名原 壽子 三育学院大学, 看護学部, 名誉教授 (40412762)
岡本 玲子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (60269850)
成瀬 和子 東京医科大学, 医学部, 教授 (70307122) [Withdrawn]
山下 正 神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (90613092) [Withdrawn]
多田 美由貴 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 助教 (50732004)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生存権 / 保健師 / 公衆衛生看護 / 公衆衛生看護倫理 / 健康格差 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度では、作成DVDを活用した教育プログラムを用いた介入調査の継続実施、これまでの調査結果の公表を行った。継続調査では、日本地域看護学会(8月)で学生への調査結果(量的データ)の公表、日本公衆衛生学会(10月)で学生の調査結果(質的データ)の公表を行うとともに、当学術集会への参加者の学識経験者・保健師へDVDと調査用紙の配布により調査協力依頼をした。また、主研究者・共同研究者の所属大学学生への介入調査を継続して実施している。学生への介入調査は十分なデータが収集できたが、学識経験者・現場保健師からの郵送による回収率が非常に低い状況があり、再度の集合調査が必要な状況である。 これまでの実施した学生へのDVDを用いた教育プログラムの効果についてデータを分析したところ、「1生活の場に出向く中で、潜在的健康被害・問題を察知する」視聴前4.78→視聴後4.97、「2現状の保健事業や保健政策では対応が困難な健康被害・問題が生じていることとその背景を明らかにする」視聴前4.90→視聴後4.91、「3共通する健康被害・問題を持つ対象者や家族をエンパワーする」視聴前4.73→視聴後4.88、「4健康被害・問題が生じた状況について正しい知識を提供し二次被害や偏見を取り除く」視聴前4.90→4.90など、多くの評価項目で有意な変化を生じていることが明らかになっている。また質的データ分析でも「家庭訪問の大切さ」「対象者の生活,暮らしの実際を理解することの大切さ」,「健康問題・被害に気づく力」「探求心を持つこと,事実を究明すること」「「対象者の話を傾聴し,寄り添うこと」などの学びが明らかである。これまでの結果により本研究で作成したDVD教材を用いたプログラムは、学生の生存権を護る保健活動の理解を高める上で有意なプログラムであるといえる。今後、保健師の現任教育への活用についても検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者が研究開始1年後に所属大学の移動による業務多忙により1年目後半から2年目にかけての研究の遂行の遅れが生じた。とくに本研究の主であるDVD教材の作成と教育プログラム構築が2年目後半となってしまったため、それ以降の介入調査の遅れが生じている。しかしながら、学生への介入調査については順調であったが、構築プログラムの現任教育への活用検討のため実施していた現場保健師の調査用紙の回収数が非常に少ない状況が生じていたため、新たな調査の実施が必要であることと、そのデータ分析も含めが公表が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、現場の保健師への介入調査を実施するとともに、これまで3年間で蓄積したデータの分析を行い、本研究で作成したDVDを用いた教育プログラムの効果を検証する。また全国の大学や保健師活動現場で活用が可能なように、学会等で継続的に報告することや最終報告書を作成し、公表することを予定している。
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Causes of Carryover |
平成26年度に所属機関を移動したため、その前後の業務多忙により1年目実施予定のDVD教材作成とプログラム構築が遅延していた。そのためその後の介入調査の期間が十分にとれていなかった。介入調査は2回実施したが、現場保健師の参加者や調査回数数が低率であり、検証が不充分である。これらの理由により、以降の計画に遅延が生じたため、研究期間の延長をした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
延長期間である平成28年度は、追加介入調査の実施と、そのデータを加味したこれまでのデーターの分析・まとめを行い、報告書の作成と国内外学会で発表、論文投稿をする予定である。
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Research Products
(6 results)