2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25501003
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
小田 亮 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50303920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福川 康之 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (90393165)
平石 界 安田女子大学, その他部局等, 講師 (50343108)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ホスピタリティ / 利他行動 / 感染脆弱意識 / 双生児法 |
Outline of Annual Research Achievements |
ホスピタリティの心理的基盤について、調査と実験の両面から明らかにした。 ・職業上発揮されるホスピタリティに日常的な利他性と性格因子が及ぼす影響について明らかにするため、ホスピタリティ産業に従事している20代から50代の男女を対象として、Web調査を実施した。日本型ホスピタリティ尺度の得点を従属変数、対象別利他行動尺度とBig Five尺度の得点を独立変数とする重回帰分析を行ったところ、ホスピタリティ尺度の5因子すべてについて影響がみられたのが、家族・友人知人に対する利他行動の頻度であった。Big Fiveのうち、外交性は5因子すべてに影響していたが、他の性格因子はそれぞれ影響するホスピタリティの因子が異なっていた。 ・ホスピタリティの基盤となっている利他性について明らかにするための実験を行った。目の絵などの刺激が利他性を促進することが知られているが、他者への同調がその要因となっているかどうかを検証するため、目の刺激の有無がペンの選択に与える影響について調べた。また、人は他人の利益のために嘘をつくことが知られているが、どのような人が、どのような種類の嘘をつくのか実験的に検証した。さらに、経済ゲームによって測定できる社会性について遺伝と環境がどのように影響しているのか調べるため、双生児法を用いた調査を実施した。 ・個人のホスピタリティに及ぼす生理的な基盤として、感染に対する脆弱性や感染を忌避しようとする傾向が考えられる。まずこれを明らかにするための最初の段階として、感染脆弱意識(PVD)を測定する尺度の日本版を作成した。さらに、この尺度の得点をホスピタリティ産業への従事の有無で比較したところ、有意な差はみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標であった、幅広い年齢と職業を対象とした調査と、感染に対する耐性とホスピタリティとの関連についての調査が実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
さまざまな事情により、ソーシャル・キャピタルとの関連についての調査が遅れている。今後はこの点に力を入れたい。
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Causes of Carryover |
Web調査を調査会社に依頼したが、割引その他により、予定していた額よりも支払い金額が少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
Web調査の対象人数を増やし、より妥当性のある結果を得るために使用する。
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Research Products
(17 results)