Outline of Annual Research Achievements |
本研究の対象は,①福岡県八女市星野村で活動するNPO法人がんばりよるよ星野村,②福岡県八女市黒木町で活動するNPO法人山村塾,そして全国の支援団体のWeb調査を実施した。①は,2014年7月~10月に行われた5回の作業に参画し,参加者への直接配布アンケートで55名の回答数を確保した。参加ボランティアのうち,災害前に星野村に来たことがある人は28人(51%),無しが27人(49%)であった。参加動機の関係は,前者は「自然豊かな景観が好きだから」,後者は「星野村以外でボランティアに参加したから」とp値1%で有意な結果が得られた。これらの結果から,参加者は「星野村に愛着のある層」と「ボランティア活動そのものに対する関心の強い層」に分けられた。平時のツーリズム活動は災害後のボランティア活動の形成に寄与し,一方,災害後のボランティアは,地域振興へ貢献すると結論付けた。 ②について,アンケート調査は,2014年11月28日に897名に郵送し,2015年1月末まで企業・団体にメール配布し,合計310名の回答を得た。回収率は概ね3割とみなした。本結果は,初動が早く3ヶ月で作業のピークを抜けたこと,企業・団体の活動が効果的であること,合宿ボランティアの活動量が日帰りボランティアと同等であること等が得られた。 全国の近年の災害とボランティア団体数について,新潟県中越地震(13団体),東日本大震災(169団体),平成24年7月九州北部豪雨(11団体)などであった。本研究では,共助の展開,新たな取組みの意義・効果・課題の一端を明らかにした。今後の研究課題として,災害ボランティアを農地等の復旧に繋げるための制度,運営の仕組み,NPOとの平時・災害時の取組みのあり方を探求する必要がある。必要なニーズに必要な支援を提供できる仕組みの開発が望まれる。
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