2015 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトiPS細胞から誘導した神経細胞を用いた認知症に対する移植療法開発のための研究
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25505006
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
藤原 成芳 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (50365425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高井 憲治 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (60121167)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 認知症 / 再生医療 / 神経分化誘導 / 神経細胞移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症患者数は2013年の厚生労働省の推計によると2025年には470万人を超えると推計されているが、神経変性疾患であるために根治は不可能であり、早急な根治的な治療法の開発が強く望まれている。近年、幹細胞を用いた再生医療が注目されており、特にヒトiPS(hiPS)細胞の樹立は再生医療の可能性を大きく広げている。またここ数年来の研究は成人脳における神経幹・前駆細胞の存在を明らかにしており、これは中枢神経系の再生と再生医療の適用の可能性を示唆している。私はレチノイン酸(RA)、ソニックヘッジホック(SHH)、ノジン(NOG)の3因子を用いて、hiPS細胞から神経細胞の分化誘導に成功した。さらにはこの細胞を認知症モデルマウスに移植すると、認知機能を改善することを示した。認知機能改善マウスにおいて、移植神経からは軸索が伸長しており、移植神経間、移植神経-ホスト神経間の神経回路形成が示唆された。さらに移植神経はホストに生着し、主に大脳皮質及び海馬においてコリン作動性神経とalpha7ニコチン性アセチルコリン受容体(alpha7nAChR)陽性細胞及びGABA作動性神経とGABA受容体(GABAR)発現細胞に分化していることが判明した。またホストのalpha7nAChR陽性細胞も有意に増加しており、移植によるホスト神経(前駆)細胞に対しても何らかの作用を及ぼしていることが示唆された。さらにはalpha7nAChR及びGABARの下流ではAktのリン酸化が観察されており、受容体が生理学的にも機能していることも確認した。また4c-fosの発現も亢進しており、神経細胞として神経伝達もされていることを示唆した。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Induction of neural cells with spinal motoneuron phenotype from human iPS cells and the transplantation to totally transected spinal cords in mice.2015
Author(s)
3.Iinuma M, Umehara T, Arimitsu N, Shimizu J, Misawa H, Takai K, Fujiwara N, Fujii A, UedaY, Wakisaka S, Suzuki T, Hirotsu C, Beppu M, Suzuki N.
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Journal Title
Inflammation and Regeneration
Volume: 35
Pages: 154-163
Peer Reviewed
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