2013 Fiscal Year Research-status Report
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25540169
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
垂水 浩幸 香川大学, 工学部, 教授 (80293900)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 将棋 / データベース |
Research Abstract |
将棋のデータベースは、プロが利用しているものであっても棋譜の集まりでしかなく、局面のデータを統合したものはまだ存在しない。本研究ではそれを構築して公開運用し、評価することが目的である。これが達成されれば、将棋の研究・学習環境が大きくに変わる他、人工知能による将棋思考プログラムの開発を推進するプラットフォームにもなる。特に将棋序中盤の研究・学習の環境を革命的に変えることができる。これまでに試作してきたものを本格的な運用に耐える規模に再構築するとともに、実際に公開運用を行い、棋士、人工知能研究者、学習者等からの評価を受け、研究期間終了後も継続的に運用できるものを目指している。平成25年度は、(1) 前年度までに開発してきた SAKURA システムのデータベース部分を公開運用に耐えられるよう改修し、アプリケーションインタフェース(API)、ドキュメントの整備を行った。このデータベースは棋譜のデータベースと局面のデータベースから成るもので、本研究の中核である。(2) データベースのコンテンツを充実させるため、人工知能自動対局サイト floodgate からのデータ移植を行った他、ネット対局サイト(81dojo.com)からの棋譜の収集に道筋をつけた。(3) 成果の評価については、大学将棋部員による評価によって妥当性が示された他、プロ棋士等専門家からの肯定的なコメントも得ている。(4) 対外的には国際会議1報、国内では査読付シンポジウム1件、査読なし口頭発表2件を行った他、情報処理学会論文誌への投稿を1件行った(査読中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
システム開発に関しては予定通り進んでいる。棋譜データの収集がやや遅れており、手入力による作業が進んでいない。ただし floodgate からは92000局以上の収集が行えており、数としては十分である他、81dojo.com からの収集についてもサイト運営者との同意にこぎつけている。また論文発表については予定より早く論文誌に投稿できている。これまでに受けた評価もおおむね問題なく、関係者からも研究成果は肯定的にとらえられている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は公開運用に向けて最終的な環境整備を行う。具体的には棋譜入力ツールの改善、運用ハードウェア環境の整備等である。その上で、公開運用上の効果や問題点を関係者から評価していただく。 少なくとも国際会議1件、国内論文誌投稿新規1件、国内口頭発表2件を目指している。 将来的にはこれを運用することによる将棋の解析などを次の研究テーマとして考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
システム構築計画を見直し、物品費(コンピュータハードウェア)とソフト開発(「その他」に計上している外注開発費)が変更された。また評価計画がやや遅れていることと外注を人件費ではなく「その他」に計上することになったため謝金・人件費の支出が大きく減少した。 次年度は技術補佐員の雇用を行う他、国際会議発表、論文掲載費の支出、外注開発によるソフトウェア整備などを引続き予定しているため、次年度計画分と繰り越し分を有効に活用して研究成果の質を上げる予定である。
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Research Products
(4 results)