2013 Fiscal Year Research-status Report
自立型発電システムを用いたサンゴ再生促進技術の開発
Project/Area Number |
25550065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
高橋 智幸 関西大学, 社会安全学部, 教授 (40261599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳重 英信 秋田大学, 工学資源学研究科, 教授 (80291269)
鶴田 浩章 関西大学, 環境都市工学部, 准教授 (90253484)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | モルタル基盤 / 微弱電流 / 飼育実験 / 水理実験 |
Research Abstract |
微弱電流によりサンゴの成長を促進させる技術の開発を目的として,以下のような研究を実施した.(1)サンゴ再生を行っている沖縄県において現地調査を実施し,資料収集を行うとともにサンゴ再生の現状および問題点を明らかにした.実際にサンゴ再生で用いている板状の基盤は本研究で開発するサンゴ育成用モルタル基盤の参考とした.(2)実験室において,サンゴが生息している海底の水流,水質,照明などの条件を再現した水槽を製作し,サンゴの飼育実験を開始した.特に水温や塩分,カルシウムなどの条件を試行錯誤で変化させて,サンゴを安定して飼育できる最適な環境を構築した.また,モルタル基盤に通電と電流測定をリアルタイムで行える装置を製作した.(3)ゼオライトや炭素粒子などの添加,水セメント比,ポーラスなどの条件を検討して,微弱電流を流せるサンゴ育成用モルタル基盤を検討した.また,モルタル基盤を長期間水中で使用することを踏まえて,水質や電気伝導度の変化を水槽実験で測定した.(4)モルタル基盤にサンゴを設置して,微弱電流を流した飼育実験を実施したが,サンゴが死滅してしまった.水質分析を行ったところ,銅イオンが多量に発生しており,電極に使用していた銅が想定以上に流出していることが判明した.(4)二次元造波水路において,流力振動を利用した圧電セラミックによる発電装置の性能試験を実施した.実際にサンゴが生息する海底での流速を考慮して0.1 m/s程度の流れを発生させた.(5)上記の発電装置に加え,より高電圧の発電を目指し,電磁誘導を利用した発電装置を開発して,同様に水理実験を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
微弱電流によるサンゴの成長促進を調べるため,飼育実験を行ってきた.しかし,開発中のモルタル基盤にサンゴを設置し,微弱電流を通電させたところ,電極から想定以上の銅イオンが流出し,サンゴが死滅してしまった.飼育実験は既に再開しているが,サンゴの成長に関するデータは取り直しとなったため,予定より遅れが生じている. しかし,サンゴ育成用モルタル基盤の開発は予定通り進んでいることと発電に関する水理実験は予定より進んでいるため,研究全体としての遅れは僅かである.
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Strategy for Future Research Activity |
サンゴ育成用モルタル基盤の材料の選定や構造については検討が進んでいるため,電極の素材の選定およびモルタル基盤への設置方法について検討を行う.平行して,流力振動および電磁誘導による発電システムをモルタル基盤に設置する構造の設計を行う.また,サンゴの飼育実験を継続して,微弱電流による成長促進の定量的な把握を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
サンゴの飼育実験中にサンゴが死滅した.その原因は電極に用いていた銅が想定以上にイオン化して流出したためである.そこで,新たな電極の検討およびサンゴの追加購入が必要となった. 次年度,引き続き開発するモルタル基盤では,電極についても検討する予定であった.また,飼育実験も継続するため,サンゴの追加購入を予定していた.よって,平成25年度に購入した物品は次年度の研究でも使用できるため,全体としては特に問題は生じない.
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Research Products
(2 results)