2016 Fiscal Year Annual Research Report
Diro Kitao Renaissance Project
Project/Area Number |
25560130
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
西脇 宏 島根大学, 外国語教育センター, 教授 (00144684)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 北尾次郎 / 科学史 / 数理物理学史 / 建築学史 / 法学史 / ジャポニスム / 日独交流史 / 日本人によるドイツ語文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終研究年度の今年度は,平成29年2月に『北尾次郎ルネサンスプロジェクト研究報告書2』および『北尾次郎ルネサンスプロジェクト研究報告書別冊北尾次郎とジャポニスム』を公刊し,国内ならびにドイツの主要大学や研究機関,約150個所に配布,寄贈した。 『北尾次郎ルネサンスプロジェクト研究報告書2』は,西脇宏編による北尾次郎の独文小説Waldnymphe Ⅱ‐3巻最終章Die Dulderinの翻刻と,広瀬毅彦著の「法学者としての北尾次郎~『普國憲法起原史』成立に見るイェーリング,シュタインらとの接点及び道行物としての森鴎外作『舞姫』主人公・太田豊太郎像への投影~」をその内容とする。 前者により,Waldnymphe全巻中,最も保存状態が良く,唯一ほぼ完全な翻刻が可能と思料されたⅡ‐3巻全巻の編者による翻刻,活字化が,ここに完了した。また,後者により,法学者としての北尾次郎が史上初めて取り上げられ,明治憲法制定過程における北尾次郎の果たした役割を,新たに発見された一次文献資料を用いて調査研究するとともに,広瀬前稿「北尾次郎周辺から見た『舞姫』成立過程」に引き続き,『舞姫』主人公・太田豊太郎,北尾次郎モデル説を法学史面からさらなる補足,補強を行った。 『北尾次郎ルネサンスプロジェクト研究報告書別冊北尾次郎とジャポニスム』は,全72ページ,フルカラーの冊子で,広瀬毅彦著の「ジャポニスム作家としての北尾次郎」と「北尾次郎挿絵作品集」をその内容とする。本研究プロジェクトは,計画ではアウトリーチ活動に重点を置くことを明言していたが,今まで十分な活動が行われたとは言い難い。本冊子は,その欠落を埋めるべく,北尾次郎の芸術活動を作品集として公刊することで,研究成果を社会に還元することを意図している。その還元の範囲がドイツ語圏社会も含むことを,ドイツ語による要旨をつけることで明確にしている。
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Research Products
(2 results)