2014 Fiscal Year Annual Research Report
骨再生過程におけるコラーゲン動態の可視化と外部環境因子による組織化制御手法の検討
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25560200
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
安井 武史 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (70314408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 克也 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (10403651)
高橋 光彦 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (10372715) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | コラーゲン / 骨 / 再生エンジニアリング / 非線形光学顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨は、体の中でも我々が動く時の『要』になる組織であり、骨の変形・痛み・骨折は、QOLを著しく低下させる。一方、骨代謝のスピードは極めて遅く、高齢者が骨組織を十分に増加させることは困難であることから、骨再生エンジニアリングの重要性が急速に増大している。生体コラーゲンSHG顕微鏡は、コラーゲン分子固有の非線形光学特性を利用することにより、非染色に生きたありのままの状態でコラーゲン分子を可視化できることから、骨生成・形成過程におけるコラーゲン動態を解明する手段として有望と考えられる。しかし、従来の SHG顕微鏡では、コラーゲン構造成熟度が低い骨芽細胞産生コラーゲンを高感度に可視化することは困難であった。我々は、昨年度、光源に用いるフェムト秒レーザーのパルス幅狭窄化を行うことにより、骨芽細胞産生コラーゲンを可視化可能な高感度SHG顕微鏡を開発した。 今年度は、高感度SHG顕微鏡を用いて、骨芽細胞培養サンプルのコラーゲン構造分布を、4週間にわたって時系列モニタリングした。測定に使用した細胞は、マウス頭蓋骨由来細胞株の骨芽細胞様細胞MC3T3-E1である。ストレッチチャンバーに細胞を播種した後、静地培養したサンプルを計測した。第1週では、円状の微弱なSHG光が多く観測され、これはコラーゲンが骨芽細胞内部に分布していることを示している。第2週では、SHG光強度が増大しており、これは骨芽細胞内部のコラーゲン濃度が向上していることを反映している。第3週では、コラーゲンが骨芽細胞外部に産生され、線維構造を形成している様子を確認した。第4週では、コラーゲン線維構造が太く成長すると共に、線維構造の局在化も見られた。このように、SHG顕微鏡を用いることにより、骨生成・形成過程におけるコラーゲン動態を、同一個体で可視化することに成功した。
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Research Products
(10 results)