2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25590072
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
梶川 裕矢 東京工業大学, イノベーションマネジメント研究科, 准教授 (70401148)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 純一郎 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (30508924)
中村 裕子 東京大学, 総括プロジェクト機構, 研究員 (40600698)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 知財戦略 / R&D戦略 / 必須特許 / パテントプール |
Research Abstract |
本研究では、パテントプールにおいて必須特許となる特許の要件を予測するモデルの開発を行う。どのような特許が必須特許に採用されやすいかが分かれば、研究開発プロジェクトの立案段階から知財戦略を考慮した戦略を構築することが可能となる。知的財産戦略は従来、技術の「出口戦略」として位置づけられることが多かったが、本研究により必須特許の要件を明らかにすることが出来れば、技術の研究開発段階から必須特許化を見越した戦略の設計が可能となる。 当該年度では、特許情報ならびに文献情報等を用い、先行研究で分析されている先行特許、他社特許への引用に加え、技術の汎用性および卓越性の分析、特許の共出願ならびに引用情報を用いた発明者・組織ネットワークの分析、必須特許の検討グループの委員の構成を分析し、それらが必須特許と非必須特許間でどのように違うかを明らかにする。各対象領域に対し、トムソンロイター社の特許データベース、論文データベースを用いデータを収集する。 具体的には、特許の重要性を表すと考えられる後方引用ならびに、新規性を表すと考えられる前方引用に着目し、特許引用ネットワークの構造分析を行った。分析対象には、情報通分野において必須特許が存在しパテントプールが既に形成されている事例を用いるMPEG2、MPEG4を事例として取り上げ、パテントプールに登録されている特許とそうでない特許が、特許引用ネットワーク中で占める構造的位置の差異を分析した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、パテントプールに関するデータセットを特許データベースを用いて構築し、その特徴を分析した。また、技術的な背景等の関連情報を収集した。ただし、データセットの構築に時間がかかり、MPEG-2、MPEG-4以外に分析を拡げることが出来なかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度に構築した特許のデータセットならびにその特徴を分析することで、必須特許の要因を明らかにする。動画圧縮規格であるMPEG-2、MPEG-4以外に、記録技術の規格であるDVD6C、DVD3C、無線通信技術であるWCDMA、LTE、WiMAXに分析対象を広げ分析を実施する。 さらに、各技術の必須特許検討委員会の委員名簿の整理を行い、委員の構成や所属組織をデータ化する。また、各企業の特許出願数、特許の共同出願ネットワークでの組織の中心性、必須特許検討委員会の委員の所属組織、各委員の特許出願ネットワークでの媒介中心性等を計測することで、当該技術領域において中心的な企業や、他社との繋がりが強い企業といった特徴を明らかにする。これにより、必須特許の選定に与える組織的要因を明らかにする。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
事例分析のための技術的背景等の予備調査に時間がかかり、特許データセットの構築を行ったのが2事例に留まった。そのため、データ整理等に要する人件費を次年度に繰り越して使用する必要が生じたため。 画圧縮規格であるMPEG-2、MPEG-4以外に、記録技術の規格であるDVD6C、DVD3C、無線通信技術であるWCDMA、LTE、WiMAXに関してもデータセットを構築する。そのためのデータ整備に必要な人件費として使用する。
|