2013 Fiscal Year Research-status Report
シャイネス改善を目的とするSNS上での訓練プログラムの開発
Project/Area Number |
25590157
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
坂元 章 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 教授 (00205759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桂 瑠以 川村学園女子大学, 文学部, 講師 (60572815)
木村 文香 江戸川大学, 社会学部, 講師 (70424083)
田島 祥 東海大学, チャレンジセンター, 講師 (60589480)
松尾 由美 関東短期大学, こども学科, 講師 (50711628)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ソーシャルネットワーキングサービス / SNS / シャイネス / 潜在シャイネス / 初対面行動 |
Research Abstract |
本研究の目的は、シャイな人たちにSNS上で初対面の相手と事前にどのような接触をさせれば、その後の対面場面で円滑にコミュニケーションできるかを検討した上で、初対面場面での社会適応性を高めるSNS上での事前接触プログラムを開発し、その効果を実証的に検討することである。 先行研究では、シャイネスは、潜在的に測定されるシャイネスと顕在的に測定されるシャイネスとに分離され、前者は無意識的な行動と、後者は意識的行動と、それぞれ異なる行動的側面を予測することが指摘されている。潜在シャイネス者と顕在シャイネス者では、初対面場面での不適応行動を引き起こす要因が異なり、前者では無意識的な行動と関連のある対人緊張や不安が、後者は統制可能な意識的行動と関連のある社会的スキル不足が、初対面場面での不適応行動の要因となると予測される。この仮説を検討することで、潜在シャイネス者・顕在シャイネス者それぞれの不適応行動の原因に合ったプログラムを開発することができる。そこで本年度ではこの仮説を検討するために2波のWEB調査を実施した。 調査結果をもとにまず、潜在シャイネス及び顕在シャイネスが初対面場面での行動に影響するのかを分析した。分析の結果、顕在シャイネスが高いほど、相手に質問をして会話を広げたり、相手の良いところに気づいて褒めるなどの初対面場面における積極的行動を取っていないことや、緊張や過敏さ、自信のなさといったシャイネスの側面が高いほど、相手に配慮した行動をとっていないことが明らかになった。一方で、潜在シャイネスの高さは初対面場面における積極的行動にも配慮行動にも有意な影響を及ぼさないことが示された。 以上のことから、潜在シャイネスと顕在シャイネスとでは初対面場面における行動に対する影響が異なっており、本研究の目的であるSNS上での事前接触プログラムの開発において留意する必要があることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の最終目標は、シャイな人たちの初対面場面での社会適応性を高めるSNS上での事前接触プログラムを開発することである。この目標を達成するために、①潜在シャイネス者・顕在シャイネス者それぞれがSNS上で初対面の相手と事前にどのような接触をさせれば、その後の対面場面で円滑にコミュニケーションできるかを検討するために調査を実施する、②調査で明らかになった知見に基づき、プログラムを開発し、その有効性を実証的に検討することが必要である。そこで、2年計画の1年目の本年度では、顕在シャイネス者・潜在シャイネス者の社会的不適応の原因を検討する縦断WEB調査を実施した。2年目には、この研究知見に基づき社会適応向上プログラムを開発し、その有効性を実証的に確認する計画である。 本年度実施した調査の結果、顕在シャイネスが高い人ほど初対面場面で積極的に行動したり、相手に配慮する行動がとれないという因果関係が示された。その一方で、潜在シャイネスは初対面場面での不適応行動に有意な影響は見られなかった。以上の結果から、2年目にプログラムを開発する際には、潜在シャイネス者ではなく、顕在シャイネス者を対象にした社会的適応性を高めるプログラムを開発する必要があると考えられる。1年目の調査によって、2年目で開発すべきプログラムの内容が明らかになったことから、本年度の進捗状況は、当初の計画通りにおおむね順調に進展していると考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、本年度の調査で明らかになった知見に基づき、SNS上でのシャイネス者の初対面場面における社会的適応向上プログラムを開発する。本年度の縦断WEB調査の結果から、初対面場面での不適応行動をとりやすい顕在シャイネス者を対象にしたSNSプログラムを開発する必要があることが示された。最終年度である2年目には、プログラムを開発し、顕在シャイネスの高い人を対象にプログラムに参加させ、初対面場面における社会的適応性が向上するのか、実験によりプログラムの有効性を確認する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の研究計画では、潜在シャイネスと顕在シャイネスの初対面場面での不適応行動の原因について仮説生成を行うことを目的に、シャイネス者を対象にしたインタビュー調査を実施する予定であった。しかし、先行研究のレビューを行う中で、シャイネス者の初対面場面での不適応行動を引き起こす要因に関する仮説が設定できたため、その仮説を実証的に検討する縦断WEB調査を実施するように、予定を変更した。 インタビュー調査では、調査対象者に各自で自宅や大学等から潜在シャイネスの測定に参加するよう求め、測定に必要なソフトをインストールできるPCがない学生には、本研究の研究費で購入したノートパソコンを貸し出す予定であった。しかし、WEB調査を実施したため、このノートパソコンの購入の必要がなくなった。また、インタビュー調査のために予定していたテープ起こしやICレコーダーの購入も不要となった。以上の理由から次年度使用額が生じた。 最終年度である平成25年度には、シャイな人を対象にし、初対面場面での社会的適応を高めるSNS上でのプログラムの有効性を確認する実験を実施する。実験実施には、参加者のプログラムの参加状況や進捗状況を管理する実験補助などに費用がかかる予定であり、次年度使用額はそのために使用する予定である。
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Research Products
(1 results)