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2014 Fiscal Year Research-status Report

微分ガロア理論の量子化

Research Project

Project/Area Number 25610004
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

梅村 浩  名古屋大学, 多元数理科学研究科, 名誉教授 (40022678)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords量子化 / Picard-Vessiot理論 / 量子群 / テンソル圏
Outline of Annual Research Achievements

線型差分・微分方程式のガロア理論の量子化において、第一段階を終えた。19世紀から、数学者は特殊関数のq-類似を追求してきた。q-類似とは、思想としては量子化につながるものと考えられる。しかし、q-類似の過程においてガロア理論の量子化は認められなかった。平成26年度の本研究において、何故量子化が生じなかったかを明らかにするとともに、ガロア理論の量子化の生じる枠組みを発見した。これは、著しい進歩である。定数係数ついのqsi-線型方程式に関して、次の結果を得た。qsi-線型方程式とは、一言で言えば線型差分・微分方程式のことである。簡単のため基礎体は復素数体Cであるとする。定数係数のqsi-線型方程式(E)を考える。qsi-方程式(E)のPicard-Vessiot環Rが存在する。Picard-Vessiot環Rは、一般に、非可換なqsi-module環であり次の性質を持つ。。
(1) Rはqsi-単純である。(2) qsi-代数Rの定数環は複素数体に一致する。(3) 量子群Hが存在して、 Picard-Vessiot環Rに右余作用する。これに関して、RはHのtorsorとなる。(4)与えられた線型方程式(E)の生成するrigid tensor圏と右H-余加群全体のなすrigid tensor圏が同値となる。これによって、qsi-線型方程式(E)のガロア群Hが決まる。
幾多の努力にもかかわらず、これまでガロア理論の量子化に成功しなかったのは、非可換な作用素環を考察したが、作用を受ける関数環は可換環であったことによる。ガロア理論を量子化するには関数環=空間を量子化、つまり非可換化しなければならないのを発見した。この発見は今後の発展の鍵となるであろう。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初、従来の研究結果から、線型方程式のガロア理論、Picard-Vessiot理論を量子化するのは不可能と信じていた。そのため、非線型方程式のガロア理論、の量子化を目標としてきた。この問題を追求する過程の中から線型方程式の量子化が生じいる例があることに気がついた。そこで従来の研究結果を注意深く検討すると、そこに曖昧な点があるのを発見し、線型方程式のガロア理論の量子化の研究に専念した。先ずは特別な例の徹底的な分析と実験を行った。その結果を一般の線型差分・微分方程式に拡張して、それを証明した。さらに作用素環として任意のHopf代数をとることに成功した。
これは従来のPicard-Vessiot理論の自然な量子化、非可換化であり、海外ではそれなりの反響と評価を得ている。

Strategy for Future Research Activity

上に述べたようんに、定数係数の線型程式については、そのガロア理論の量子化が自然な形で存在することを示した。次に目指すのは、相対的な場合、つまり基礎環が複素数体Cでない場合である。あまり一般的にしすぎても勝算がないので、基礎環はqsi-体とす、る。我々の思想は、非可換な関数の間の線型方程式を考えることにあった。当然次の疑問が生じる。

疑問 非可換な関数の間の線型方程式を考える意味は、はたしてあるのか。これまでそのような研究はなされたのか。

実は成されているのである。1992年野海正俊は超幾何方程式のq-類似の研究において、非可換な関数の線型方程式を考察している。彼は1q-類似を考えるにあたって、Gelfandの超幾何関数を定義する枠組みであるグラスマン多様体を量子化、非可換化する。そして、非可換な関数の間の線型差分方程式としてq-超幾何関数を理解する。この野海の枠組みをPicard-Vessiot理論から見る。

Causes of Carryover

2月にフランスのTouloouseを訪問した旅費が予想より少なくて済んだ。それを筑波だいがくの研究者との連絡に使おうと試みたが、日程の調整がつかなかった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

筑波大学のHopf代数研究者のグループと研究連絡行なう。

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Published: 2016-05-27  

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