2014 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類横隔膜の進化的起源解明の突破口:遺伝子、細胞、ペルム紀~三畳紀化石の統合
Project/Area Number |
25610152
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
平沢 達矢 独立行政法人理化学研究所, 倉谷形態進化研究室, 研究員 (60585793)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 進化 / 発生 / 化石 / 横隔膜 / 哺乳類 / 前肢筋 / 肩帯 / 羊膜類 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、哺乳類に固有の構造である横隔膜が、「祖先動物の肩甲下筋から分かれて進化した」という仮説の検証を進めてきた。前年度、ニワトリ胚を用いた側板中胚葉の細胞系譜解析により、横隔膜の結合組織を形成する領域が胸郭内部へ入り込むような体壁の変形は哺乳類独自のものではなく鳥類にも見られるものであることを明らかにした。これは上記の仮説と整合的である。 平成26年度は、胚発生における遺伝子発現パターンの中に「前肢筋の部分的重複」の痕跡がないかどうか探索するため、マウスとニワトリを用いて、横隔膜および前肢筋が発生する領域の遺伝子発現パターンの種間比較を進めた。マウスに関してはこれまでに多くの先行研究があるが、ニワトリに関しては研究例がほとんどなく、本研究の種間比較により、特に側板中胚葉における遺伝子発現パターンは両者で異なることが明らかとなった。これまでに、Hoxa4, Hoxb4, Hoxa5, Hoxb5, Hoxc5, Hoxc6, Gata4について、ホールマウントおよび切片のin situハイブリダイゼーションを複数の発生ステージの胚に対して行い、時間的変化も含めて、発現パターンの種間比較を完了した。Hoxc4, Hoxd4, Hoxa6, Hoxb6についても発現パターンの種間比較を進めているところである。これまでの結果、側板中胚葉におけるHoxc5発現領域が上記仮説と整合的であり、ノックアウトマウスを使った実験的検証の準備を進めている。 また、平成26年度は、スミソニアン博物館で初期単弓類の化石標本を調査し、特に、保存状態の良いオフィアコドンOphiacodon骨格を研究した結果、生息時の肩帯骨格の形態や筋の付着部位について従来よりも詳細な復元が可能となった。結果、初期単弓類における肩甲下筋は、横隔膜へと進化することが可能な位置にあることが確かめられた。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Evolution and development of ventricular septation in the amniote heart2014
Author(s)
Poelmann RE, Gittenberger-de Groot AC, Vicente-Steijn R, Wisse LJ, Bartelings MM, Everts S, Hoppenbrouwers T, Kruithof BP, Jensen B, de Bruin PW, Hirasawa T, Kuratani S, Vonk F, van de Put JM, de Bakker MA, and Richardson MK
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Journal Title
PLoS One
Volume: 9
Pages: e106569
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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