2014 Fiscal Year Annual Research Report
セルロース分子鎖キラリティを活用した新しい”準結晶”構造の探求
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25620175
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
辻井 敬亘 京都大学, 化学研究所, 教授 (00217308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榊原 圭太 京都大学, 化学研究所, 助教 (20618649)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | セルロース / ミクロ相分離 / 準結晶 / ボトルブラシ / キラリティ / リビングラジカル重合 |
Outline of Annual Research Achievements |
リビングラジカル重合による新規ボトルブラシ分子(高密度くし型ポリマー)の合成と、その自己組織化による新しい高次構造“準結晶構造”の探求を目指した。特に本研究では、セルロースの分子鎖キラリティに着目し、主鎖にセルロース、側鎖に分子量の揃った異種ポリマーを有する新規ヤヌス型ボトルブラシを合成し、セルロースに捕捉されたらせん状の高次構造形成の発現を試みた。合成には、リビングラジカル重合、開環重合などの各種制御重合系を取り入れたばかりでなく、ポリマー鎖の定量的grafting-to法を検討、さらには多糖の位置選択的誘導体化を駆使したことで、2種類の側鎖が導入されたセルロース系ヤヌス型ボトルブラシの合成にはじめて成功した。多糖主鎖を特徴とする究極のヤヌス型ボトルブラシ(3種類の異種側鎖導入系)合成の道を拓いたといえ、新規高次構造形成への可能性を示した。 特に最終年度で得た成果について記述する。(1)6-O-p-methoxytritylcellulsoeを出発原料として、残存2,3位水酸基へのpoly(ethylene glycol) methyl ether(PEG)化と6位脱保護によるボトルブラシ1を合成した。1から以下の手法により2種類のヤヌス型ボトルブラシの合成に成功した:(i)ε-caprolactone(CL)の開環重合による6-O-PCL-2,3-di-O-PEGcellulose、(iii)pentynoyl化、末端azide化polystyrene(PSt)とのHuisgen環化付加反応による6-O-PSt-2,3-di-O-PEGcellulose。(2)SEC-MALLS分析により、ヤヌス型ボトルブラシの溶液におけるキャラクタリゼーションを行った。(3)ヤヌス型ボトルブラシをミクロ相分離させ、その構造をTEM、AFM、SAXSを用いて分析した。
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Research Products
(2 results)