2013 Fiscal Year Research-status Report
固体か流体かに依存しない支配方程式に基づいた高精度数値解析手法の開発
Project/Area Number |
25630195
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
澤田 純男 京都大学, 防災研究所, 教授 (70187293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 浩之 京都大学, 防災研究所, 助教 (70452323)
米山 望 京都大学, 防災研究所, 准教授 (90371492)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 液状化 / 固体解析 / 流体解析 / 数値解析 / 揺動現象 |
Research Abstract |
液状化地盤における揺動現象を忠実に再現するため,流体と固体とをシームレスに解析するための基礎的な研究を行った.流体の支配方程式はナビエストークス式,固体の支配方程式は釣り合い式であるが,これを連続体力学の立場からラグランジュ形式の運動方程式とそれぞれ流体と固体に対応する構成モデルの組み合わせとして表現し直し,構成モデルに含まれるパラメータを変化させることで流体と固体という2つの相をシームレスに表現する.今年度は,線形弾性体と完全流体とをシームレスに表現するため,共通する構成モデルのポアソン比を変化させることで,両者を表現した.また,4節点のアイソパラメトリック要素を適用した有限要素法解析では,ポアソン比が0.5に近づくと解析上硬めの解が求まるロッキング現象が生じる.これを解決するために次元低減積分が採用されることもあるが,解析条件によってアワーグラスモードによる不安定性を生じることもある.このため,構成モデルに含まれるポアソン比を0.5に近づけるだけでは数値解析としては不十分で,固体・流体双方で共通し,かつ両者で解析誤差の少ない解析方法も必要である.そこで,要素の回転剛性を考慮することでアワーグラスモードを解決できるとする流体解析における既往の研究を参考にして,固体の場合にも誤差が小さくなるよう,小さな回転剛性を付与することを提案した.これにより,線形弾性体と完全流体の場合においては,ポアソン比を変化させることでシームレスに両者を解析できるようになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は線形弾性体と完全流体という線形の構成モデルに対する検討を実施する予定であったが,これは概ね達成できているため,当初の研究計画通り順調に進展していると判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に開発した手法は,回転剛性の付与にある任意性が残されていたため,これを解決するために,高次の要素を利用した有限要素法による結果を検討する.また,対象が液状化地盤であるならば非線形の弾塑性構成モデルを採用する必要があるし,有効応力解析を行うことが望ましい.そこで,有効応力解析においても流体と固体とで矛盾なく支配方程式を立てることができるのか検討し,液状化を表現できるような弾塑性構成モデルを採用して,ひとつの媒質が徐々に流体に変相する様子とそのときの動的な応答の変化を調べる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
数値解析を実施するために新規計算機の購入を予定していたが,既存の計算機でも数値解析手法の妥当性を検証するには十分であったため,見合わせた. 今年度以降に実施する研究では計算負荷の高い数値解析を行うため,前年度未使用額を含めて計算機を購入する予定である.
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Research Products
(3 results)