2013 Fiscal Year Research-status Report
ジルコニア系複合酸化物触媒の酸強度制御因子の解明と高機能化
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25630369
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山本 孝 徳島大学, 大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 准教授 (70361756)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 酸化ジルコニウム / 酸化タングステン / 固体強酸 / アルキル化 / イオン半径 / 複合酸化物 / 固溶体 |
Research Abstract |
本年度は種々の金属イオン添加した正方晶系酸化ジルコニウム(773K焼成)を担体とした酸化タングステン触媒(酸化タングステンとして15重量%)を調製し,アニソールのベンジルアルコールによるアルキル化反応をモデル反応として強酸性が発現する条件検討を行い,以下の成果を得た。1 アルキル化活性には添加元素のイオン半径依存性があり,0.65 - 0.85 Åで最高となる;2 2族元素および1.0Å以上の金属イオン添加した触媒は不活性;3 添加量にも最適値が存在する。たとえばイットリウムイオンの場合,ジルコニウム対して3モル%で最高となり,10モル%以上では不活性;4 高活性触媒では薄黄色,不活性触媒は白色。 また調製した触媒のX線回折,X線吸収分光法(広域X線吸収微細構造/吸収端近傍X線吸収微細構造)による構造解析を行い,以下の成果を得た。5 活性の高い触媒上のタングステン種は歪んだ酸化タングステンクラスターを形成している;6 活性の低い触媒では添加金属とタングステン種が複合酸化物を形成している;7 活性試験を行った触媒の酸化ジルコニウム結晶相は正方晶系。 1~6までの結果より,酸化タングステン-酸化ジルコニウム系触媒で強酸性を必要とするアルキル化反応に活性を示すためには,酸化ジルコニウム担体が正方晶系であること,タングステンと添加元素が複合酸化物を形成しない条件を選ぶことが肝要であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的及び計画通り,酸化ジルコニウム系固体酸触媒の強酸性を発現するために兼ね備える条件および構造に関する知見が得られつつあるため,おおむね順調に研究が進展していると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)他の反応系への拡張し,活性発現のために兼ね備える条件を検証 (2)金属イオン添加酸化ジルコニウム担体自身の酸塩基性質の評価 (3)詳細な物性評価および構造解析 (4)原子配列に着目した活性発現機構を提唱するための情報収集
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度,実験消耗品を購入するためには残額4076円は不足であった.しかしながら年度予算の0.2%と比較するときわめて少額であり,次年度に合算して使用するほうが予算を有効であると判断し,次年度に繰り越すこととした。 物品費に加算して使用する。
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Research Products
(5 results)