2013 Fiscal Year Research-status Report
ワイヤレス給電による無燃料・長時間火星飛行探査システムの研究開発
Project/Area Number |
25630391
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三谷 友彦 京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (60362422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米本 浩一 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80404101)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ワイヤレス給電 / 火星飛行探査機 |
Research Abstract |
本研究の目的は、マイクロ波帯の電磁波を用いたワイヤレス給電により無燃料かつ長時間の飛行が可能となる火星飛行探査システムを確立することである。平成25年度においては、[A]電力制御付フェーズドアレー送電システムの構築、[B]探査機方向推定による送電ビーム制御システムの構築、[C]ワイヤレス給電のみで飛行する摸擬飛行探査機の開発、について取り組んだ。課題[A]では、注入同期法と位相同期ループの組み合わせによりマグネトロンの周波数・位相を基準信号の周波数・位相に固定する「電力可変型位相制御マグネトロン」を構築した。また電力可変型位相制御マグネトロンを2台を用いたフェーズドアレー送電システムを構築し、フェーズドアレーとしての動作に成功した。課題[B]では、探査機に搭載するマイクロ波-直流変換素子(受電素子)から発生する2次高調波をパイロット信号源とする、新たな方向探知システムの原理検証実験を行った。その結果、探査機から発生する2次高調波はパイロット信号として十分に利用できることを確認したが、パイロット信号受信電力が小さくなる点では方向検知誤差が大きくなるという問題が発生した。課題[C]では、火星探査飛行機1/4スケールに相当する摸擬飛行探査機を設計し、木材を骨組みとしたビニール製の模擬飛行探査機を試作した。また摸擬飛行探査機にレクテナを搭載し、マグネトロン1台によるワイヤレス給電試験飛行を実施した。その結果、無線電力伝送による直線飛行は実現できたものの、旋回飛行を実施するには機体の改良が必要であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画に掲げた3つの課題のうち、課題[A]は計画通り達成した。課題[B]は新たな手法に取り組んだ結果、原理検証実験までに留まり、位相誤差等の定量評価は十分ではなかった。課題[C]は、摸擬飛行探査機の設計・試作および試験飛行までは実施したが、必要とされる受電素子数等の定量評価までは至らなかった。以上より、定量評価部分に関しては若干の遅れがあるものの、当初計画に対して大きな問題点は発生しておらず、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度においてはは、課題[B]および課題[C]で積み残された定量評価部分を早急に検討する。
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