2014 Fiscal Year Research-status Report
翅・葉の脈網構造の模倣による宇宙用インフレータブル構造の性能向上
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25630393
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
小島 広久 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (50322350)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | インフレータブル構造物 / 翅脈 / 粒子法 |
Outline of Annual Research Achievements |
昆虫の翅脈構造を模擬することで,インフレータブル構造物の展開確実性,剛性向上を目的としている.この目的のために,平成26年度計画として以下の項目を掲げた. (1)インフレータブル構造物の紙によるプロトタイプ作成,(2) カプトンインシュレータシートを用いたインフレータブル構造物の作成及び展開性能評価.(1) については,紙ではなく,ビニールシートやアルミ蒸着シートを膜材料として,その上にチューブ状の翅脈相当部分を熱癒着によって張り付ける構造を検討し,プロトタイプを作成した.(2)については,カプトンインシュレータシートによるプロトタイプではなく,(1)で作成を試みたプロトタイフに対して展開実験を行った.その結果,根本のチューブ部分は展開できたが,きつく折りたたまれた折り目で挿入空気がその先のチューブに流れないことが判明した.この実験結果を踏まえ,翅脈部分の折り方や翅脈構造の適切な作成方法などの検討を開始した. また,計画した内容とは別に,粒子法による展開シミュレータ作成のための文献調査を行い,定式化の基本について整理した. その他,柔軟宇宙構造物の一種であるテープテザーに関連した研究を実施し,大学主催の研究報告会で1件ポスター発表,国内学会で2件,国際学会で1件それぞれ発表し,学術論文1本が掲載された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インフレータブル構造物のプロトタイプを作成し,その展開性能評価を行う予定であったが,作成したプロトタイプによる展開実験の結果,展開そのものが不調に終わってしまい,展開性能評価にまで至らなかった.よって計画は予定よりも遅れていると判断せざるを得ない.
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Strategy for Future Research Activity |
(1)翅脈部分の折り方で確実に内部ガス(空気)が先の翅脈に流れる構造を考え,プロトタイプを作成する.そして,(2)プロトタイプにおいて,翅脈パターンを変化させ,展開性能評価,剛性評価を行い,本研究課題の目的である,「インフレータブル構造物の展開確実性,剛性向上」に適した翅脈パターンのパラメータを明らかにする.
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Causes of Carryover |
展開性能評価のために多数のプロトタイプを作成する経費として計上したが,作成したプロトタイプの展開実験が不調に終わり根本的な問題点が判明して当初予定の研究が進捗せず,費用に余りが発生してしまったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
確実に展開可能となる翅脈部分の構造作成方法の検討を中心とした局部的なプロトタイプ作成費用に重点的に使用する.
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Research Products
(5 results)