2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25630399
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北澤 大輔 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (30345128)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 波エネルギー吸収 / PI制御 / 波浪中曳航試験 / 数値解析モデル / 主船体動揺抑制 |
Research Abstract |
実機の小型船の長さを8mと想定して、その1/5縮尺模型である長さ1.6mの主船体とフロート模型を使用した。東京大学生産技術研究所千葉実験所海洋工学水槽にて、主船体を電車に固定し、主船体とフロートとをバネを用いた結合、または剛結合とした。波浪中曳航試験を実施し、船体への流体力およびフロートの運動を計測し、ストリップ法による数値解析結果と比較、検証した。次に、主船体とフロートとの間のサスペンションに所定の減衰力(発電力)を出す発電機を導入し、水槽模型実験を実施した。スカイフック理論を参考として、制御システムを作成した。すなわち、主船体の加速度をPI制御システムによってフィードバックして、主船体の上下揺れと縦揺れが最小となるように発電量を制御した。P制御とI制御は、それぞれ付加質量とダンパー係数に相当する。制御システムの効果を確認するために、陸上の台上試験を行った。フロートとフレームを固定して、加振機でフレームを強制動揺させた。その結果、主船体の加速度を制御システムにフィードバックして、主船体の動揺を制御できることが確認された。次に、同じ模型を用いて、波浪中試験および波浪中曳航試験を実施した。その結果、制御システムによって浮体の動揺が抑制される様子が観測されたが、制御システムの条件の変化による影響は小さかった。また、前進速度がない場合とある場合とで、実験で得られた発電量を用いて波エネルギーの吸収率を算出した。制御システムのモデルも含めた数値解析モデルを構築し、数値計算結果と実験結果とを比較、検証したところ、浮体の動揺の減少と波エネルギーの吸収が概ね再現された。しかし、いくつかの制御条件における実験結果との違いが見られたことと、数値解析モデルの検証においていくつかの制御条件における実験データが不足していたことから、今後、水槽模型実験、数値解析モデルの両面で改善が必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、水槽模型実験と数値解析を行い、いくつかの改善点を残しているものの、浮体の動揺の減少と波エネルギーの吸収が再現されたため、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、実船としての実現性を高めるために、平成25年度の水槽模型実験、数値解析モデルの改善とともに、以下の課題を実施する。まず、広範囲の実用船に適した排水量型(線形)のフロートを製作し、水槽模型実験を実施する。次に、主船体のピッチのみでなく、ロールも含めた運動制御を目指し、完全なスカイフック制御システムの開発を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費については、水槽模型実験が順調に進んだため、物品費が抑制された。また、水槽模型実験の単純労務謝金も発生しなかった。 平成26年度は、主船体とフロートの間に設置する発電機を購入するが、制御システムに耐えうる精度の高い発電機を選定する予定であり、昨年度未使用分も含めて物品費に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)