2015 Fiscal Year Annual Research Report
再冠水過程のダイナミクスに基づく地層処分システムのコンパクト化
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25630425
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
新堀 雄一 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90180562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千田 太詩 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30415880)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 地層処分 / 放射性廃棄物 / 原子力エネルギー / 不飽和帯 / 冠水過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は,最終年度として前年度の実験を引き続き行うと共に、比較のために高アルカリ水によるカラム実験を実施した。その結果、カラムの充填粒子の溶解は、粒子内部に存在する間隙(2次間隙)に大きく依存することが明らかになった。これは前年度までのマイクロフローセルを用いた花崗岩の変質挙動では見られない現象である。また、非等温環境下における冠水過程の評価(課題3)を行うために、気相の溶解度および拡散挙動の温度依存性を考慮した固相共存下における気相成分の溶存・移行モデルを構築した。さらに、処分システムにおける再冠水に要する期間の算出(課題4)として、初期不飽和帯の体積(掘削影響領域の大きさと関連すると仮定)やサイトの浸透性に対する不確実性を含むためものの,冠水までに要する期間は溶存ガスの液相内の拡散係数により支配されることが明らかになった。すなわち、不飽和体における気液界面において、気体の溶存速度は律速せず、ガスを溶存した液相の入れ替えが冠水時間を左右する。そして、再冠水の期間を考慮した廃棄体間隔の算出(課題5)として、課題1から課題4までの知見および高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)の発熱量の変化に伴う処分場周辺の温度推移(従来の計算結果)を基に、不飽和層において地下水流を無視した場合および性能評価において設定される地下水流速を考慮した場合の処分場における廃棄体1体あたりの必要面積を各々評価した。その結果、この算出の精度を上げるためには、さらに不飽和層における緩衝材のイライト化速度の評価が重要になることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)