2013 Fiscal Year Research-status Report
ゲノム編集による遺伝子ネットワークのin vivo再構成技術を用いた進化発生研究
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25650080
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
三戸 太郎 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 助教 (80322254)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ゲノム編集 |
Research Abstract |
コオロギのシス調節配列改変実験のために,人工ヌクレアーゼZFN, TALENに加えて,より簡便な系であるCRISPR/Casシステムを導入した。同じ遺伝子座(laccase2遺伝子)について生殖系列での変異導入効率を比較したところ,ZFN(47%), TALEN(17%)に対しCRISPR/Casでは77%と顕著に高く,他の遺伝子座でも同様に高効率であった。このため,CRISPR/Casシステムを用いてシス調節配列改変技術を確立を目指すことにした。1,標的配列の欠失: 2種類のガイドRNAを用いてそれらの標的部位間の配列の欠失を試み,標的部位近傍にマイクロホモロジーがあるようにガイドRNAを設定することで,目的の欠失を誘導可能であることが示された。 2,外来配列のノックイン: 相同組換えによるノックイン実験では結果が得られなかったため戦略を変え,非相同末端結合経路によるノックインを試みた。インジェクション当代において外来配列の標的部位への挿入を示す結果が得られた。現在次世代への伝搬効率を調べており,ノックイン系統を効率良く確立するための実験を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シス調節配列の操作には至らなかったものの,ゲノム編集技術による標的配列の除去および外来配列のノックインに成功し,シス改変の基盤となる技術開発が順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
CRISPR/Casシステムをベースとして開発した新規ゲノム改変技術をさらに改良,最適化し,シス調節配列を操作した個体を作製する系を早期に確立する。本実験系により,体節パターン形成に関わる遺伝子ネットワークの再構成を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
トランスクリプトームを計画していたが,ゲノム改変技術の開発に集中することがその後の研究の展開において非常に重要と判断しこれを中止したため。 新たに開発したゲノム改変技術の改良とそれを用いた実験に使用する。多数のゲノム改変系統を維持する必要が生じるため,一部は研究協力謝金に使用する。
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Research Products
(10 results)