2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25650099
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
和田 七夕子 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (50379541)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 植物 / 種子 |
Outline of Annual Research Achievements |
被子植物の胚乳は、主要な食料源であり、その発達の機構を明らかにすることは、農業上有益な知見が得られる。胚乳の発達は両親のゲノム量がバランスをもって保たれることが重要であるが、このバランス制御に対するエピジェネティック制御の効果は大きいことが知られる。本研究では、父方ゲノムの低メチル化により現れる胚乳および種子サイズの変化について、量的形質遺伝子座(QTL)解析により明らかにする目的で開始した。その過程で、シロイヌナズナ系統間交配により得られる種子の大きさが、花粉親に用いた系統によって変化する結果を得た。この種子サイズの違いは、花粉親に用いた系統間のゲノム配列の違いによることが予想されたので、数多くの系統を花粉親に用いたときの種子の大きさの違いを網羅的に計測し、種子サイズ制御に関わる遺伝子座をゲノムワイド関連解析により探索することとした。 Col-0系統をめしべ親として、花粉親には約100種類の系統を用いた種子を得、その種子サイズを計測した。F1種子のサイズ分布は、ほぼ正規分布に近い分布を示した。各F1種子の大きさと、1001ゲノムプロジェクトにより得られている各親系統のゲノム配列とを合わせて解析したところ、種子の大きさと相関が見られる一塩基多型が第五染色体上に見られ、最も高い相関を示したSNPはP=5.76x10-5であり、F1種子が大きい系統ではG、小さい系統ではAが多く見られた。このSNPは遺伝子間領域に見いだされたが、コード領域にあるSNPにも若干弱いものの相関が見られた。SNPの近傍の遺伝子については、種子サイズ制御に機能すると報告された遺伝子はなかったが、得られたSNPを手掛かりとして、種子発達機構の一端が明らかになることが期待される。
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