2013 Fiscal Year Research-status Report
アスコルビン酸による肝臓シトクロムP-450維持機構の新規仮説の証明
Project/Area Number |
25660102
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
堀尾 文彦 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (20165591)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アスコルビン酸 / アスコルビン酸欠乏 / シトクロムP-450 / ヘム分解 / ヘムオキシゲナーゼ |
Research Abstract |
(1) AsA欠乏の進行に従って、肝臓で ①酸化的ストレスにより活性化される転写因子(Nrf2、NfκB)の活性化の亢進、②HO-1発現上昇、③ヘムタンパク質であるCYPとCOXの減少、が経時的に連続して起こることの証明 (結果) 6週齢、雄のODSラットに、AsA無添加飼料を与える欠乏群と、AsA1,000ppm添加飼料を与える対照群とを設けて、実験開始後10日目から14日目までの5日間において毎日(計5点)ラットの解剖を行なって肝臓を採取した。CYP2B1は生体異物であるフェノバルビタール(略号:PB)の投与で誘導されるCYPであることから、上記と同じ2群の実験をPBを添加(300 mg/kg)した飼料を摂取させる条件下でも行なった。 PBを摂取しない場合および摂取した場合の両方において、以下のような肝蔵における一致した結果が得られた。12日目の欠乏群では、核内のNrf2量およびNfκB量が増加し始め、HO-1 mRNAレベルとタンパク質レベルの有意な上昇が観察された。14日目の欠乏群において初めて、肝蔵のミクロソーム画文のCYP量とミトコンドリア画文のCOXタンパク質量の減少が見られた。これらの各パラメータの欠乏群での経時的変化は、申請者の仮説を支持するものであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究での仮説を証明する上で最も基礎となるデータである、肝蔵の転写因子(Nrf2、NfκB)の活性化、HO-1の発現上昇、CYP量およびCOXタンパク質量の低下が順番に起こることを、詳細な経時的観察によって証明することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
HO-1誘導剤をAsA摂取ODSラットに投与した場合に、肝臓の総CYP量とAsA欠乏で減少する種類のCYP量とが減少すること、ならびにCOXが減少することを証明する。
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Research Products
(2 results)