2014 Fiscal Year Research-status Report
In situメタボロミクスによる機能性食品成分の新しい評価
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25660109
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
財満 信宏 近畿大学, 農学部, 准教授 (40455572)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | メタボロミクス / 質量顕微鏡 / 機能性食品 |
Outline of Annual Research Achievements |
機能性食品成分の摂取による疾患の予防が期待されているが、摂取した機能性食品成分がどのような形で体内に分布し、その場でどのような代謝変動を引き起こすのかという観点で機能性を評価できる手法はこれまで存在しなかった。本研究では、組織レベルでの代謝変動解析をin situメタボロミクスと定義し、in situメタボロミクスによる新たな機能性成分の評価手法が重要であることを実証的に検討することを目的とする。本年度に実施した研究の概要は以下の通りである。 1機能性成分を投与した動物のin situメタボロミクス 昨年度に引き続いて行った。機能性が期待されるある食品成分Aをマウスに投与し、脳、肝臓、膵臓、精巣などにおける代謝変動を可視化した。その結果、ある臓器で特徴的に代謝が変動する可能性を見出した。これについては引き続き検討する予定である。 2食品の解析 昨年度に引き続いて行った。コメに存在するγオリザノールやビタミン類などの可視化を行う中で、コメ胚乳中でリゾホスファチジルコリンが特徴的に分布することを見出した。リゾホスファチジルコリンの分布は、結合する脂肪酸の種類によって異なっており、オレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸を有するものはコメ胚乳の外側に分布するのに対し、飽和脂肪酸であるステアリン酸を有するものは胚乳内部に存在していた(Rapid Commun Mass Spectrom 2014)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定であった機能性成分の動態可視化には成功した。 機能性成分スクリーニングの最中に発見したリゾホスファチジルコリンの分布を解析した結果については論文として報告した。 以上の理由から研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでにある機能性成分が局所的に代謝を変動する可能性を見出した。スクリーニング実験であっため、本年度は再現性を確認するとともに、その作用機序を明らかにする。
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Causes of Carryover |
装置が数か月間故障したことによって、イメージング解析が行えなかった。この間、生物学的な検討を行うなど、実験自体は中断しなかったが、イメージング関連の消耗品の購入が止まったため、次年度繰り越しとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
装置は復旧したため、当初の計画通り、動物実験などに使用する。
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Research Products
(4 results)