2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25660152
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 克文 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (50300695)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | バイオロギング / 画像 / 加速度 / データロガー / 採餌 / 社会性 |
Research Abstract |
動物搭載型画像記録計によって、採餌や水中社会行動などの情報を得ることはできるが、残念ながら記録できる時間は短い。一方、加速度計によって数日から2週間に及ぶ記録が得られるが、突発的に生じる加速度変化がどんなイベントを意味しているのか判別するのが難しい場合が多々ある。本研究の目的は、加速度計と画像記録計を動物に搭載し、2つのパラメータが同時に記録されている間に、採餌や繁殖に関わる重要なイベントを検出し、行動要素とそれに特徴的な加速度波形の対応関係を得た上で、長期におよぶ加速度時系列データからイベントを自動抽出するアルゴリズムを開発することにある。 1)アカウミガメの採餌行動:ビデオ映像と同時に得られた三次元遊泳経路を解析することで、中層でクラゲを捕食する際に、軌跡が曲がり、減速するという特徴が抽出された。三陸沿岸海域におけるアカウミガメが、頻繁にクラゲを捕食している様子を把握することが出来た。 2)ヒレナガゴンドウの水中社会性行動:これまで、同時に複数個体から得られた深度記録のみから同種間の同調潜水を報告した例はあったが、カメラによる映像も記録することで、胸びれでお互いの体を触れあいつつ同調潜水していることが判明した。 3)マンボウの採餌行動:ビデオ映像と三次元経路データを分析し、小型マンボウは海底付近で甲殻類らしき餌を捕食し、大型個体は中層でクラゲ類を捕食していることがわかった。 4)移動に要するコスト算出に関する研究:魚類・鳥類・哺乳類の遊泳行動を測定し、移動に要するコストを算出する手法を考案した。移動コストは中性浮力で最小となり、また最小の移動コストとなる最適遊泳速度は浮力によらず、抵抗に応じて変化することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題に関連する既存のデータを解析し,得られた結果を論文投稿したところ,順調に公表することが出来た。さらに、まだ論文公表には至っていないが、スズキやアメリカナマズを対象とした水槽実験や野外調査も順調に進展し、当初目標に掲げた方向に向かって、着々とデータが得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
本手法の応用範囲を広げるため、魚類・爬虫類・鳥類・哺乳類を対象とした野外調査を進め、また手法を検証するための飼育実験を実施し、他の手法との併用も進めていく。
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Research Products
(17 results)