2014 Fiscal Year Annual Research Report
IR-LEGOとTALEN法による時空間特異的遺伝子発現制御の試み
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25670098
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
小林 大介 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (60376548)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 発生 / 繊毛 / 嚢胞腎 |
Outline of Annual Research Achievements |
繊毛機能の異常に起因する嚢胞腎発症機構の解析のために、人口ヌクレアーゼを利用したTALEN法を用い、繊毛関連遺伝子のノックアウト系統を作出した。この系統を観察したところ、導入された変異がホモの場合において、期待されたとおり嚢胞腎を発症した。この嚢胞腎の発症は緩やかで、成魚においてもその症状が外面から判断できるのは、孵化後5~6ヶ月を要したが、組織切片を作成し観察したところ、既に孵化の段階で明らかな嚢胞の形成が観察された。 続いてこの表現型をレスキューするために腎臓特異的なこの遺伝子の発現を試みた。腎臓特異的なプロモーターとして、メダカ腎臓での発現パターンが既に明らかになっている運動性繊毛の機能に必須なdynein axonemal intermediate chain 2a (dnai2a)のプロモーターを利用した。dnai2と隣接遺伝子の間の約2 kbpの領域をクローニングし、プロモーターアッセイを行ったところ、この領域は腎臓特異的な発現には不十分であった。そこでdnai2を含んだゲノム領域を含むBacterial Artificial Chromosome (BAC)を利用してトランスジェニックの作成を試みた。しかしながら、原因は不明であるがこのBACを導入した胚はすべて死亡してしまい、腎臓特異的な発現には成功していない。 今後は(1)他の遺伝子のプロモーターを利用する。(2)近年その導入効率が上がったとされるゲノムの直接編集により今回ノックアウトした遺伝子そのものにloxP配列を挿入するような遺伝子改変を試みる。といった方法で、腎臓における時空間特異的な繊毛関連遺伝子のノックアウト系統を作成する計画である。
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Research Products
(1 results)