2013 Fiscal Year Research-status Report
音楽および音声が救急蘇生法の質に与える影響に関する挑戦的萌芽研究
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25670765
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
山畑 佳篤 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00437211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 仁 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40625654)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 救命 / 蘇生 / 教育学 / 音楽学 / 計測工学 |
Research Abstract |
平成25年度は、質の高い胸骨圧迫の有効な教育方法について検討を行った。予定された2つのバリデーションスタディを実施することができた。 指導者による主観的な胸骨圧迫技術の質の評価に関するケースシリーズ研究の結果、指導者の主観による胸骨圧迫の評価は、過大評価する傾向にあること、特に指導経験の少ないものほどその傾向が強いことが明らかとなった。 救命処置講習指導者に対する評価技能向上に関する前向き介入試験の結果、音声および可視化されたフィードバック装置を用いることで、より正確な評価が可能となることが示されたが、客観的な測定機器を用いることがより正確であることが明らかとなり、以後の評価は測定機器を用いることとした。 音楽を用いた胸骨圧迫技術指導の最適化を検討するためのランダム化比較試験では、予定通り「京都子どもの音楽教室(京都市立芸術大学音楽学部音楽教育研究会)」の授業の一環として本研究用に作曲された新たな楽曲を複数のアレンジを施して用い、その結果、音楽を用いて胸骨圧迫を行うとより正確な胸骨圧迫が可能であることが明らかになるとともに、スタディで用いたバリエーションの中では116/分のリズム、8ビートのアレンジの曲を用いることで、より正確な胸骨圧迫が期待されることが明らかとなった。 以上平成25年度に実施した研究の結果、特定の楽曲ではなく、音楽そのものが胸骨圧迫に与える効果が明らかとなり、より効果的な音楽の種類が明らかとなった。次年度は音楽が胸骨圧迫に与える教育効果について検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書に記載された2段階のバリデーションスタディについて、予定通り実施することができ、次年度のランダム化比較試験につなげることができたため、おおむね順調に進展していると言える。 ただし後半のバリデーションスタディである「音楽を用いた胸骨圧迫技術指導の最適化を検討するためのランダム化比較試験」については当初計画では非医療従事者を対象とする予定であったが、被験者のリクルートが順調ではなく、パイロットとして救急隊員を対象にデータ収集を行った。当初計画では26年度前半もバリデーションスタディ期であり、被験者のリクルートを再度試みたい。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、非医療従事者の被験者をリクルートし「音楽を用いた胸骨圧迫技術指導の最適化を検討するためのランダム化比較試験」について実施を検討する。 研究計画で予定されていた「CPRの新しい指導法の教育効果に関するランダム化比較試験」について、医療従事者を対象にパイロットスタディを行う。 上記2つの結果を合わせ、非医療従事者を対象とした「CPRの新しい指導法の教育効果に関するランダム化比較試験」の実施計画を立てる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今後の研究に必要な蘇生教育用マネキンを購入する予定であったが、残額予算では不足するため、年度を超えて使用する必要が出たため。 不足分を次年度予算から支出し、研究に必要な蘇生教育用マネキンを購入する。
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Research Products
(3 results)