2014 Fiscal Year Research-status Report
CGMSを用いた糖尿病個別教育支援のガイドライン作成とその有効性の検証
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25670947
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
具志堅 美智子 琉球大学, 医学部, 助教 (10305196)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | CGMS / PAID / 糖尿病個別療養支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病は完治しない病である。糖尿病者は血糖コントロールを可能な限り行い、一生合併症の予防に努めなければならない。患者にとっては多大なストレスである。持続血糖モニタリングシステム(Continuous Glucose Monitoring System:以下CGMS)は腹部に装着するだけで痛みを伴わずに連続した血糖値が測定できる。これまでの自己血糖測定器(Self-monitoring of blood glucose:以下SMBG)では総合的な血糖変動傾向や夜間低血糖等を見極めるのは困難であった。CGMSではそれらを把握できるようになり、糖尿病治療の最適化が可能になると考えられている。 CGMSに関する研究は始まったばかりといえる。欧米の研究ではCGMS装着者はコントロール群よりself-efficacyが高く、意思力の持続から身体活動量に変化が認められHbA1cやBMIが改善したことが報告されている。これらの研究はCGMSが治療に限られたツールではなく、療養生活に活用できることを示唆している。本研究は新技術であるCGMSを糖尿病療養支援の新しいツールとしての可能性を見出すことを目的としている。 「CGMSを用いた糖尿病個別療養支援効果の検証(1)」はCGMS装着体験者の思いをGrounded Theory Approachにて質的帰納的に分析した。導かれた結果から療養支援ガイドラインを作成した。「CGMSを用いた糖尿病個別療養支援効果の検証(2)」はガイドラインに基づいた看護介入を行いその支援効果を検証する。支援効果の評価法として糖尿病問題領域調査(Problem Areas in Diabetes Survey:以下PAID)を用いる。PAIDは患者の感情面での適応度の測定、援助による変化の評価ができると言われている。まずは、パイロットスタディとして一施設で実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「CGMSを用いた糖尿病個別療養支援効果の検証(1)」は当施設倫理審査委員会の承認(承認番号586)後、2013年11月~2014年6月にCGMSを装着した入院患者6名を対象に実施した。面接はインタビューガイドを用いて半構成的インタビューを行った。「CGMS装着体験の思い」「看護師のアドバイスで役に立った事」「CGMSに期待すること」について対象者に自由に語ってもらった。インタビュー はプライバシーを保護できる個室で実施し、対象者の許可を得て録音した。研究成果は国内にて学会発表を行った。 「CGMSを用いた糖尿病個別療養支援効果の検証(2)」は2014年12月17日付けで当施設の倫理審査委員会の承認(承認番号783)を得て研究を実施している。以上のことより現在までの達成度の評価を(2)「おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は日本糖尿病療養指導士(Certified Diabetes Educator of Japan;以下CDEJ)もしくは糖尿病認定看護師の糖尿病療養支援のレベルアップを目指している。CDEJは、糖尿病とその療養指導全般に関する正しい知識を持ち、医師の指示の下で患者に療養指導を行うことのできる熟練した看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士に与えられる資格である。CDEJは糖尿病者の臨床における生活指導のエキスパートである。糖尿病の患者は合併症の進展から一施設や一診療科に留まらず、複数の施設や診療科を渡り歩く。研究により得られた成果や今後の課題を地域医療機関のCDEJや認定看護師と共有することで、CDEJのネットワークや療養支援の強化に貢献できる。従って、本研究の今後の推進方策として、CGMS装着者のPAID調査をCGMSを活用している地域の糖尿病専門施設に拡大していく。
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Causes of Carryover |
最終年度に予定していた研究成果の学会報告の一部を今年度に行った。そのため、旅費の前倒し支払を請求した。1,918円はその端数として生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究実施の最終年度にあたり、報告書作成と論文掲載料として各々約10万を使用する。学会発表旅費14万円(2名分)を使用する。残りは消耗品(インク代、その他)に使用する。
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Research Products
(2 results)