2015 Fiscal Year Research-status Report
シングルマザーの生きる力による思春期の子どもをもつ家族の発達危機への対処と解決
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25670972
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
池内 和代 高知大学, 教育研究部医療学系看護学部門, 教授 (50584413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
祖父江 育子 広島大学, その他の研究科, 教授 (80171396)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | シングルマザー / 生きる力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、シングルマザーの【生きる力】を明らかにすることである。意義は、子どもを一人前に育て上げようとしているシングルマザーと出会う機会が増えてきた看護職がこれまで以上に家族を理解することにつながり、シングルマザーの支援資料として有益であると考える。また、シングルマザーに関わる保健医療・教育・福祉関係職種への支援資料として活用でき、具体的な支援方法の指標となる。さらには、シングルマザー自身にも【生きる力】を与えるものとなる。 〔現在までの研究〕 1.反抗期を迎えた思春期の子どもをもつジングルマザー3名にインタビューを行い、質的に分析した。その結果(カテゴリー【】とサブカテゴリー<>)【現在の逆境】は、<離婚><子どもの反抗><子どもの登校拒否><頼れる人がいない><子どもの病気>で構成され、【苦悩】は<離婚の非受容><養育の苦悩><孤独感>で構成された。【忍耐】は<懸命な生活><養育への責任><懸命な労働>、【忍耐の支え】は、<離婚への肯定的感情><周囲の援助><子どもの将来への期待><自分の将来への期待>が抽出された。 対象者は、離婚のために頼れる人がいない孤独を抱え、子どもの反抗や不登校に苦慮していた。しかし養育への強い責任感と懸命な労働によって生活を維持していた。その生活の支えは、子どもの成長への期待と自身の展望を引き出す未来への肯定的感情であった。と考察した。 2.現在思春期の子どもをもつシングルマザー6名(上記3名を含む)、及び子どもを育て上げた(19歳以上)シングルマザー9名にインタビューを行い、逐語録に起こしている。また、SOC(首尾一貫性尺度:人生の志向性に関する質問票、)を用いたアンケートへの回答を得、集計中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
業務優先となり、研究活動に専念することができなかった。また、シングルマザーのリクルートが思うように進まず、総数15名となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、研究参加者であるシングルマザーのリクルートは一旦終了し、現在収集できているシングルマザー15名(思春期の子どもをもつシングルマザー6名及び、子どもを育て上げたシングルマザー9名)から得た内容を丁寧に分析し、カテゴリー化する。また、インタビュー時に得た、SOC(首尾一貫性尺度:人生の志向性に関する質問票、日本語版SOC-13尺度)を用いたアンケートを分析し、SOC得点の高いシングルマザーがどのような生き方をしてきたのか、またどのように生きようとしているのかを導き出し、【シングルマザーの生きる力】と結論づけたいと考えいる。 上記分析過程において、なお必要であればシングルマザーの追加リクルートを実施し、結論へと繋げていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
研究の推進状況が遅く、面接実施に伴う謝金や旅費、パソコン等の物品費用と研究発表等の費用のみとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ホームページのメンテナンス費用、面接者謝金、成果発表、報告書作成、分析ソフト
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Research Products
(1 results)