2016 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャルアノテーションに基づくモバイル音声ナビゲーションの実現
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25700009
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 大介 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00402470)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地理情報システム / 音声対話システム / ソーシャルアノテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、主として、二つの研究を実施した。一つは、逆進検知機能を有する案内粒度変更可能な音声経路案内システムである。この手法では、歩行者にとって分かりやすい道案内の粒度は、歩行者毎に異なるという点に着目し、案内粒度を歩行者自身が選択するという試みである。その際、案内粒度に応じて中間点(ウェイポイント)を複数配置する必要があるが、中間点の配置方法の仕方によって案内精度が大きく変わるなど、最適な中間点の配置法を解明する必要がある。今回はL2ノルムアルゴリズムに基づく手法を採用した。また、逆進検知機能と組み合わせたシステムを試作し、評価実験により、従来手法と比較することで、提案手法の優位性を示すことができた。 もう一つの研究として、近年公共空間で広く使われつつあるデジタルサイネージなどの大型ディスプレイ上で扱いやすい電子地図を実現する仕組みである。具体的には、我々が研究・開発してきたFocus+Glue+Context型マップを改良し、不特定多数のユーザが扱うデジタルサイネージに適した手法を検討した。さらに、オープンソースのLeafletに基づくシステムに改良することによって、応答速度の向上やユーザインタフェースの改善を図った。これらの技術の一部は、愛・地球博記念公園(モリコロパーク)で常設展示し、一般の人の意見を広く聞いている。さらに、ユーザ生成型の音声対話システムと電子地図の仕組みを連携する仕組みについても検討しており、特に、地域情報基盤としての、ユーザ生成型デジタルサイネージのための仕組みについて研究・試作を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
従来の計画では、主として、スマートフォンを対象としたシステムのみを検討していたが、現状は、それに加えて、デジタルサイネージなどの大型ディスプレイを用いたシステムも対象としているため。また、当初の計画では、期間を区切った実証実験を実施する予定だったが、公共空間(愛・地球博記念公園)で常設の実証実験を実施するなど、より実践的な検証をしているため。
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Strategy for Future Research Activity |
音声案内システムは、Apple社のiPhoneやGoogle社のGoogle Mapsなどの競合となる企業の製品の完成度が高く、同じ目的の研究をしていては、勝てない可能性がある。そこで、地域の人に役立つ地域情報基盤としての道案内システムという観点や、案内粒度を変更可能にするなど、独自の視点にたった、研究を実施していくことで、差別化を図る計画である。
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Causes of Carryover |
当初想定していたよりも、研究の発展性があり、さらなる研究を継続して実施したいと考えたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実証実験を実施するための、消耗品費、人件費や、研究発表を行うための旅費などに利用していく。
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