2014 Fiscal Year Annual Research Report
重イオン研究所におけるη′中間子原子核の高統計測定
Project/Area Number |
25707018
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤岡 宏之 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (30513395)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ハドロン物理学 / 中間子原子核 / エータプライム中間子 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年8月にドイツの重イオン研究所において、(p,d)反応によるη'中間子原子核の分光実験を実施し、η'中間子生成閾値近傍での励起エネルギースペクトルを取得した。約40m離れた1対のプラスティックシンチレータ間の飛行時間差に厳しいゲートをかけることにより、(p,d)反応と比べて数百倍起こりやすい(p,p')反応をトリガー段階で除去することができた。その結果、約1e10/spillのビーム強度においてトリガーレートを3-4 kHz程度まで抑えることができた。取得したデータは現在解析を進めているところである。 一方で、今後さらに高統計の測定を行うことでη'中間子原子核の性質について探るためには、データ収集システムの中で最も律速している多芯ドリフトチェンバーの読み出しの改良が必要であることが、上記の測定により裏付けられた。本研究では、アップグレードに向けて、Belle-II実験の円筒型ドリフトチェンバー用に開発された一体型読み出しボードを用いたデータ収集システムの開発を行ってきた。1枚あたり64チャンネルの一体型読み出しボードを6台用意し、テストパルスを入力しながら高レートでデータ取得を行い、イベント照合が正しく出来ることを確認した。また10 kHz以下では不感時間なしにデータを取得し続けられることも判明した。また、ドイツの重イオン研究所で使用したものと同じタイプのドリフトチェンバーに取り付け、線源からのβ線の飛跡をトラッキングにより再構成することにも成功した。これらの研究を通じて、一体型読み出しボードへの置き換えをすることにより、高トリガーレートでのη'中間子原子核の分光実験が可能であると結論付けることができた。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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