2013 Fiscal Year Annual Research Report
混合伝導性ペロブスカイト型酸化物の超弾性挙動とイオン伝導
Project/Area Number |
25709063
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
荒木 稚子 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (40359691)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | イオン伝導 / 強弾性 / 酸素分離膜 / 混合伝導体 / 機械的特性 |
Research Abstract |
酸素イオン・電子混合伝導体であるペロブスカイト型酸化物は,環境・エネルギ材料としての利用が期待されている.一方,力学的には極めて特異な挙動(強弾性)を示すことが,近年明らかになっている.本研究では,この特異な強弾性挙動および強弾性変形下における伝導性能(特に酸素イオン伝導)を明らかにすることを目的とする.これにより,本材料の安全な利用を確保すると同時に,力学的効果による伝導性の飛躍的向上を目指す. 本年度は,ペロブスカイト型混合伝導体であるランタンコバルト酸化物について,作製・実験および構造解析と分子動力学解析を行った.(1)様々な温度・変形速度条件下で一軸圧縮試験を行い,強弾性特性を明らかにした.また,強弾性特性の定式化に向け,強弾性変形後のひずみ回復挙動についても,熱機械分析により詳細な検討を行い,複雑な挙動を示すことを明らかにした.(2)応力下でのイオン伝導率の測定方法確立に向け,高温・応力下で電気伝導率を測定する方法を確立し,測定を行った.また,ブロッキング電極を利用しイオン伝導率の測定を試み,界面伝導におよぼす応力の影響を明らかにした.(3)分子動力学法により,応力・変形解析を行い,原子レベルでの強弾性発現メカニズムを説明した.また,応力下でのイオン拡散解析を行い,応力により拡散挙動が変化することを示した.(4)X線回折により,強弾性前後での構造変化を明らかにした.また,応力下でのラマン分光解析を可能とする装置を製作した.(5)高温・応力下でのアニール試験を行った結果,表面析出現象への応力の影響を明らかにする一方,全体の結晶構造には変化がないことを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
強弾性測定・MD解析は,非常に順調に進行している.構造解析もおおむね順調に進展している.イオン伝導測定がやや遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
イオン伝導測定および構造解析に重点をおいて進める.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・予定よりも安価に購入できたものがあったため ・一部,納品が期限に間に合わずキャンセルしたため ・キャンセルしたものについては,改めて発注し直す予定
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Research Products
(6 results)