2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25711019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
吉田 聡子 独立行政法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 上級研究員 (20450421)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 寄生植物 / 変異体 / 遺伝学 / ゲノム / 遺伝地図 / 原因遺伝子同定 / コシオガマ |
Research Abstract |
ハマウツボ科根寄生植物であるストライガやオロバンキは主要な穀物や野菜に寄生し、アフリカ地域を中心に甚大な農業被害をもたらしている。しかし、植物寄生のメカニズムはまだほとんど解明されておらず、その根本的な防除法は確立していない。本研究は、遺伝学的アプローチを用いて寄生植物の寄生の分子メカニズムの包括的理解を目指す。特に、ハマウツボ科条件的寄生植物コシオガマの変異体を用いた寄生成立に必要な遺伝子の機能解析と原因遺伝子同定を目的とする。植物寄生の分子機構を解明することは、植物間相互作用の新たな機構を明らかにするだけでなく、将来的には新しい病害寄生雑草の防除法の開発につながると考えている。 EMS処理をしたコシオガマ約2000の M1ライン種子を、吸器誘導物質であるDMBQを含む培地上に播種し、スクリーニングをおこなった。変異体候補M2植物体は、土に移植することにより次世代種子を得て、2次スクリーニングに供した。2次スクリーニングでは、DMBQ培地における表現型を確認するとともに、リゾトロン法を用いて宿主に感染させ、寄生形質に異常が見られる変異体を単離した。吸器毛の形成と吸器の形状に異常が見られる変異体が単離できたので、さらに、これらの変異体の表現型の詳細解析をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の目標通りに、変異体のスクリーニングを終え、表現型解析を進めている。また、遺伝地図作成のためのDNA情報を取得した。
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Strategy for Future Research Activity |
表現型解析の結果を論文発表するとともに、遺伝地図の作成に尽力を注ぎ、変異体の原因遺伝子単離のメソッドを確立する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初4月からを予定していた研究員の雇用が、人員の選定のため遅れ8月からのスタートとなった。そのため、次年度使用額が生じた。 研究員の雇用期間を、スタートが遅れた分後ろ倒しとし、研究員の人件費として予算を使用する。それ以外では、PCR酵素やシーケンスなどの消耗品に予算を用いる。
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