2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25711019
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
吉田 聡子 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 上級研究員 (20450421)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 寄生植物 / 変異体 / 遺伝学 / 吸器形成 / ゲノム / 次世代シーケンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、条件的寄生植物コシオガマを用いて、遺伝学的解析の系を立ち上げ、寄生ができないまたは異常が起こる変異体の解析とその遺伝子単離から、寄生に必須な遺伝子を単離することを目指している。今年度は、幾つかの変異体のシーケンスを終え、F2バルクからシーケンスを行い野生型ゲノムと比較することで原因変異の同定を行った。吸器毛の形成異常変異体については、原因変異の同定と相補試験を終え、この系で変異体の原因遺伝子特定が可能であることを示した。また、吸器毛の形成が根毛の形成プログラムによって制御されていること、吸器毛は寄生植物の宿主への付着に重要であることを示し、その成果を論文として発表した(Cui et al. 2016)。さらに加えて、吸器形成の形態異常変異体2ラインと、吸器欠損変異体体1ラインについて、F2バルクからゲノムDNAを単離し、シーケンスを行った。得られたシーケンスを野生型ゲノムを比較することにより、変異原因遺伝子の候補を得た。これら候補遺伝子については、相補試験をおこない、変異原因遺伝子であることを検証する予定である。 また、新たにEMS処理をしたコシオガマ種子を吸器誘導物質DMBQを含む培地上に播種し、吸器形成異常変異体をスクリーニングした。その結果、新たに3ラインの吸器欠損変異体を得ることができた。これらのラインについて、トランスクリプトーム解析とゲノム解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
寄生植物コシオガマの変異体から原因遺伝子を単離する系をすでに確立でき、変異体の解析からさらに新しい知見を得ることができた。そのため、当初の予定以上に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに単離した変異体の原因遺伝子同定を進めるとともに、得られた遺伝子の解析をおこない、成果を発表する。
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Causes of Carryover |
今年度予定のシーケンス解析のうち、いくつかを新学術領域ゲノム支援から技術支援を受け、解析してもらうことができたため、その予算を次年度に繰り越す。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に計画している新しく単離した変異体のシーケンス費用に充てる。
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