2013 Fiscal Year Research-status Report
コグニティブマルチホップ環境における自律分散型経路制御方式の研究
Project/Area Number |
25730065
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
瀧本 栄二 立命館大学, 情報理工学部, 助手 (90395054)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 無線ネットワーク / ルーティングプロトコル / 無線メッシュネットワーク |
Research Abstract |
当該年度では,研究課題の根幹である経路ループと経路の発振を防止するための3つの方針を固め,それらのシミュレーション実装し,基本的な性能を確認した.まず,1つ目の方針として,インクリメンタル経路構築がある.これはゲートウェイとなる端末を起点に,その通信範囲にある端末ごとに順次経路を確定していく方式である.この方式により,フラッディングとそれに伴うパケットの消失を抑制することと,初期段階での経路ループ発生を抑制する.2つ目は,プロアクティブ型とリアクティブ型という性質の異なるルーティングアルゴリズムのハイブリッド化である.これは,定期的な情報交換を行いつつ,経路構築・変更時に要求・応答メッセージを用いることで,選択した経路に経路ループが発生していないことを保証する方式である.3つ目は,経路選択時に使用するメトリック(基準値)を複数用いるハイブリッドメトリックである.従来のルーティングプロトコルは,ネットワークのトポロジに基づいて静的に決まる静的メトリックと,通信状況や干渉などの外部要因によって定まる動的メトリックの何れかを使用する.本研究では,経路ループが発生する際の特徴として,ホップ数が増加するという点に着目し,ホップ数が増加しない範囲で動的メトリックに基づいた経路変更を許すというハイブリッド方式を提案している.また,この方式は経路発振を抑える上でも有効である. 現在までに,上記内容をシミュレーション上に実装し,基本的な評価を行い経路ループが発生しないことを確認している.また,同様のネットワークを対象とするOLSR,OLSR-ETX,およびLMRをシミュレーション上に実装を行い,比較評価を行っている最中である.さらに,実機での評価のため,提案方式と比較対象の実機実装も並行して行っている. なお,以上の研究は,適宜研究協力者との間で確認をとりながら進めている.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度において,研究目的である経路ループおよび経路発振の抑制について,研究実績の概要でも述べたとおり明確な方針を立てた.これらに基づくルーティングプロトコルは,研究計画通りシミュレーションへの実装を終えており,予定通り評価段階へ進んでいる.簡易評価を行ってみたところ,経路ループを完全に抑えられることが確認できており,性能面でも特に問題はないと考えている. 実機への実装についても,設計が終了しており,予定どおりの進捗である.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策としては,基本的に交付申請書通り,シミュレーションによる最終評価と実機への実装と評価を順次行っていく予定である.シミュレーション評価については,簡易評価で良好な結果となっていることから,予定通り年度前半には終了する予定である.実機実装については,現在のところ設計等における問題はないが,無線インタフェースの特性やデバイスドライバの特性から,難航する可能性もある.その場合は,研究協力者との連携により解決していく予定である.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
もともと謝金としての使用予定であったが,予定より早く作業終了したことと会計処理の都合から,差額が生じた. 差額自体が小さいため,当初予定通り謝金として次年度で使用する予定である.
|