2013 Fiscal Year Research-status Report
ファイル名/ディレクトリ名を秘匿可能なクラウド向けファイル共有システムの研究開発
Project/Area Number |
25730085
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大東 俊博 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 助教 (80508127)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 属性ベース暗号 / クラウドストレージ / ID連携 / 秘密分散法 / ストリーム暗号 |
Research Abstract |
クラウド上のストレージでグループ間でファイルを安全に共有するために,暗号文ポリシー属性ベース暗号を用いてクライアントでアクセス制御機能付きの暗号化を行うシステムが提案されている.しかしながら,従来の方式はファイル本体の暗号化のみ考慮されており,ファイル名/ディレクトリ名などコンテンツの内容が含まれ得る情報は対象になっていなかった.本研究ではファイル名/ディレクトリ名を秘匿可能で高速に動作する方式について研究・開発することを目的とする.本年度は以下のとおり実施した. 研究代表者は,これまでにファイル名/ディレクトリ名を秘匿可能なシステムについて検討をしており,基本的な操作のプロトコルを与えている.この成果をもとに,方式およびシステムの詳細設計,プロトタイプ実装,構築した検証環境における性能評価を行い,その結果の一部はジャーナル論文誌に採録されている. 上記の基本システムに対して必要な機能について検討を行っている.具体的には,複数の組織(鍵発行センター)が連携してシステムを運用する際の課題と解決策,提案方式の特性を利用してユーザの鍵を失効させる方式について検討している.これらの内容については各分野の専門家と議論を行っており,内容が整理でき次第学会で発表する予定である. 提案方式の内部で使っている暗号技術について新しい方式の検討および安全性評価を実施している.具体的にはXORから構成される秘密分散法とストリーム暗号を利用してクラウド上で効果的にファイルを秘匿・保存する方式の開発やストリーム暗号方式の利用シーンに依存した安全性の評価などを行っている.これらの成果は,国内・国際会議で発表し,一部の結果はジャーナル論文誌に採録されている.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画における本年度の実施項目について概ね計画通り実施し,成果をあげることができた.
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の研究実施計画に沿って,本年度検討した秘密分散法も考慮して保存するファイルの冗長化手法について検討する.また,提案方式の特性を利用してユーザの鍵を失効させる方式の提案・評価,複数の鍵発行センターが連携したシステムを構築し運用実験を通して課題の抽出および解決策を考案を行う予定である.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度に構築した提案システムの検証環境において,ネットワークを柔軟に変更できるようにネットワークスイッチを追加で購入しようとして予算を残していたが,年度末に多忙になり作業が困難であることがわかったため年度内の購入を取りやめ,次年度に購入することにした. 予定していたネットワークスイッチの購入費用に充てる.なお,必要な能力を再度見積もり,必要な機器の購入に予算が不足している場合は2014年度予算の一部と合わせて購入する予定である.
|