2014 Fiscal Year Annual Research Report
赤道直下の氷河における生物活動による氷河の融解加速
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25740012
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Research Institution | 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(新領域融合研究センター及びライフサイ |
Principal Investigator |
植竹 淳 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(新領域融合研究センター及びライフサイ, 新領域融合研究センター, 特任研究員 (40455473)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ウガンダ / ルウェンゾリ山 / 氷河生態系 / 地球温暖化 / 氷河融解 / 絶滅危惧生態系 / Ceratodon purpureus |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究成果から、氷河上での生物活動により黒色のコケ無性芽の集合体(Glacial Moss Gemmae Aggregation: GMGA)が形成し、これらは氷河表面の反射率を低下させ、さらには氷河の融解を促進させてきていることがわかってきた。氷河上の広い地域でのGMGAの空間分布と反射率低下、氷河表面低下の関連性を明らかにするために、平成27年2月にウガンダ、ルウェンゾリ山において前年度に氷河上に設置した計17箇所の観測点で、観測と雪氷生物試料の採取を行った。その結果、平成26年度2月から平成27年2月の1年間で最大で161cm、最小で23cm氷河表面の高さが低下しており、氷河の末端付近ほど低下量が大きい傾向が見られた。表面低下量は、氷河表面の反射率(最大0.69、最小0.11:353nm-1008nmの平均値)との相関が見られ、末端部ほど値が低い傾向にあった。またGMGAの重量(直径4mm以上の氷河上不純物の湿重量)は、表面低下量の多い末端付近に局所的に多く、それ以外ではほとんど大きな集合体を形成していないことが明らかとなった。 GMGA形成の有無が、氷河表面低下量と関連している可能性が強いことから、GMGA形成のプロセスを明らかにするため、GMGA量が徐々に変化する氷河上の1直線に位置する4地点に着目して、GMGAの表面温度測定を行った。その結果、GMGAが多く分布する末端地点では、GMGAのサイズが大きいために表面温度が7-10℃まで上昇し、指摘温度が25℃付近であるGMGAの主構成種:Ceratodon purpureusの成長が促されている可能性が示された。
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Research Products
(2 results)