2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25740040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮崎 健輔 北見工業大学, 工学部, 助教 (50636610)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 光分解性プラスチック / 可視光応答型触媒 / 酸化促進剤 |
Research Abstract |
平成25年度の実施計画であった浸透・拡散性の高い酸化促進剤の開発においては、まず先の研究で光劣化に効果が判明している紫外光利用型のTiO2/PEO系酸化促進剤を用いて実験を行った。しかしながら、TiO2/PEO系酸化促進剤は親水性であるため、疎水性のポリプロピレン(PP),ポリスチレン(PS)等のプラスチックには、浸透しにくいことが判明した。そのため、親油性である植物油やその成分の誘導体であるリノール酸メチル(ML)を用いることで、TiO2/PEO系酸化促進剤のみの場合より、大きく光分解性を高めることに成功した。その成果をJ. Appl. Polym. Sci., 2013, 126, 6, 3490-3496およびJ. Appl. Polym. Sci., 2014, 131, 4, 39909(1-8),に掲載し、国際会議であるAsian Polyolefin Workshop APO(Beijing, China, 2013, Oct.) 2013、全国大会である第62回高分子学会年次大会(京都, 2013, 5月)、第62回高分子討論会(金沢, 2013, 9月)、マテリアルライフ学会第24回研究発表会(京都, 2013, 7月)で発表した。次に可視光利用(応答)型の触媒については、J. Shang らによって報告されているTiO2に助触媒銅フタロシアニン(CuPc)を用いた触媒TiO2/CuPc(J. Shang, Environ. Sci. Technol. 2003, 37, 4494-4499)と上記のMLを用いて、可視光酸化促進剤TiO2/CuPc/PEO/MLを作製し、PSの可視光を多く含む蛍光灯で光酸化分解を行ったところ、TiO2/PEO/ML酸化促進剤に比べTiO2/CuPc/PEO/ML酸化促進剤を用いた方がより低分子量化することが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の実施計画であった浸透・拡散性の高い酸化促進剤の開発および可視光応答型触媒と組み合わせ塗布した可視光酸化促進剤の開発である。浸透・拡散性の高い酸化促進剤については、リノール酸メチル(ML)を用いることにより成功した。また、可視光触媒はTiO2に助触媒銅フタロシアニン(CuPc)を用いた触媒TiO2/CuPcを用い、可視光酸化促進剤TiO2/CuPc/PEO/MLにより、ポリスチレン(PS)を可視光を多く含む蛍光灯によって、迅速な低分子量化に成功している。以上のことから、おおむね順調に進展している考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、今年度得られた可視光酸化を施したサンプルを生分解テストを行い、総合的な可視光酸化ー生分解性の評価を行う。また、他の可視光触媒との組み合わせ、他のプラスチックへの転用の可能性ついても調査する。
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Research Products
(6 results)