2015 Fiscal Year Research-status Report
特定外来生物の逃亡防止および防除に必要な費用負担に関する研究
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25740062
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
西村 武司 総合地球環境学研究所, 研究推進戦略センター, センター研究員 (80574029)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生物多様性 / 外来生物法 / 特定外来生物 / 外来種 / 防除 / セイヨウオオマルハナバチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,熊本県の2つのトマト産地におけるトマト生産者を対象に,セイヨウオオマルハナバチに関するアンケート調査を実施し,本種に対するトマト生産者の意識および行動に関するデータを収集した。各産地の農協職員の協力により,生産者に配布した調査票539部のうち239部が回収できた(回収率44.3%)。 調査票では,トマトの生産状況,セイヨウオオマルハナバチの使用状況の他,在来種マルハナバチの使用状況等を尋ねる質問を設けた。また,セイヨウオオマルハナバチがもたらしうる生態リスクをどの程度知っているか,植物ホルモン剤を使用した場合と比較してマルハナバチの使用による生産効率に変化があったか否かといった,マルハナバチ使用が及ぼす生態系および農業経営への影響について,各生産者の認識を尋ねた。さらに,セイヨウオオマルハナバチの逃亡防止策や規制に対する各生産者の考えや取り組みに関する質問を設けた。 回収した調査票への記入内容については,電子データ化し,単純集計を行った。単純集計結果について,調査協力者である各農協職員に説明する機会を設けるとともに,集計結果を踏まえた追加的なヒアリング調査を実施した。当初は,本年度中に調査結果を分析する予定であったが,本研究に十分な時間を割くことができなかったため,分析については平成28年度に行うこととした。ただし,研究計画の変更に伴い,各産地でのアンケート調査票の回収期間を延ばすことができたため,調査票の回収率が当初の予定よりも上昇したという副次的効果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は,熊本県のトマト生産者を対象に,セイヨウオオマルハナバチに関するアンケート調査およびヒアリング調査を実施した。調査結果の分析については平成28年度に行うこととしたため,当初の計画より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は,本年度得られた調査結果に基づいた分析を行い,特定外来生物の逃亡防止に関する実態を詳細に把握するとともに,セイヨウオオマルハナバチに関するトマト生産者の意識および行動に影響を及ぼす要因について検討する。また,熊本県の調査結果を,これまでに実施した北海道および愛知県の調査結果と比較することにより,地域固有の特徴の有無について検討する。
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Causes of Carryover |
研究代表者の所属変更に伴う新たな業務への対応により本研究に十分な時間を割くことができず,補助事業期間を延長したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度に使用予定であった学会発表および論文執筆のための費用として使用する。
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Research Products
(2 results)